福岡「熱血過ぎる校長」が変えた異色高校の中身 少子化の中でも「入学者数」は増え続けている

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多くの大人はコロナ禍を通じて、オンラインで仕事をすることの可能性を実感しました。在宅勤務、リモートワークに多くのメリットがあることを理解したはずです。通信制での勉強は自分のペースで取り組める自由度が高いので、学習意欲が高い人、勉強が得意な子により適した仕組みだと思います。

1限目から6限目まで学校が決めた授業を教室に行って受ける時間がもったいない。

この先、自分がやっていきたいことがはっきりしているから、その準備に多くの時間を使いたい。

すでにビジネスの世界で成果を出しつつあるから、通信制で高卒の資格だけ取りたい。

そんなふうに目的意識のはっきりしている子どもたちも魅力に感じてくれる通信制課程と、新たなプロジェクトをつくっていきます。

学内で起業経験を

さらなる次の一手として準備を進めているのが、起業家育成のためのスタートアッププロジェクトです。

すでに柳川高校では大正製薬の協力のもと、リポビタンDのオリジナルラベルデザインのコンペを開き、実際に商品を学内や地域のコンビニなどで発売するといったビジネスを学ぶ試みを行なっています。

こうした実践をさらに広げ、学内での起業、地域での起業を経験しながら、将来的に起業家として活躍できるような学びの場をつくっていきます。

柳川高校の始まりは柳河商業。

「子どもたちがしっかり生き、商売ができる人になるように」と始まった学校です。

起業家育成はある意味、原点回帰。そして、原点という切り口で考えると、さまざまな事情から全日制とは違う学び方を求める子どもたちが集まる通信制課程の新設は、祖父の「全員受け入れて育てる気概を持って学校運営をしていこう!」という信念と結びついています。

グローバル学園、スマート学園、宇宙修学旅行、通信制課程、起業家育成。一見、目立つために突拍子もないことを仕掛けているように思われてしまうかもしれませんが、根底には創立の精神が息づいているのです。

キャッチフレーズは、「はじまりは!  柳川高校。」

今、柳川高校のホームページやパンフレットを見たとき、最初に目が行く場所にこんなキャッチフレーズが躍っています。「はじまりは! 柳川高校。」

このキャッチフレーズは「これから10年使われる言葉を考えよう」とコピーライターや広告代理店の方々とミーティングを重ね、重ね、重ね……締め切りが近づく最後の最後、明け方の4時くらいに自宅の寝室で寝っ転がっていた私が思いつきました。

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