ギャンブルの誘惑から子供は守れません。その上努力して学び、学ぶ喜びを覚え、やり甲斐ある仕事と巡り合う前に、スリルある賭け事の中で、儲かるかもしれないという夢か幻を見た子供はどうなるでしょう。軽い気持ちで友だちや先輩に誘われて始めたのがきっかけだったという場合が、多いのです。
学歴や社会的地位に関係なく、ギャンブルの誘惑に人は屈します。国会で大暴れした政治家はラスベガスで5億円弱、東大出の製紙会社の御曹司は世界中のカジノで105億円を使い込みました。いずれも自分のおカネではありません。直近では埼玉の学園長が、やはりラスベガスなどで1500万円を使い込みましたが、この金額が小さくみえるのが、怖いところです。埼玉の1500万円がすべてギャンブルだったわけではありませんが、いい大人の判断力をもってしても、ギャンブルの誘惑にはまり込んで抜けられなくなるのが、この世界です。
ましてや子供のギャンブルは親のおカネを使って行われ、しかも失われるのはおカネだけではないのです。人間性が破壊され、人生が破たんするのです。借金しては親に尻拭いをして貰うパターンが、いちばん多いのですから。このような者たちは、親がほかから借金してでも尻拭いしてくれるのが当たり前になり、一発当てると大逆転できるという夢か幻を見ていますから、一家破滅になっても罪悪感はありません。おカネを補給してくれなかった親が悪いだけです。人生がダメになるだけでなく、人間がダメになるのです。
ギャンブルの中毒性や恐ろしさがまだ解らない18歳に、目の前にニンジンをちらつかせるようにギャンブルをしてもよろしいと、法的に保証することの意味が、私には理解できません。
18歳からのギャンブル、絶対反対
特命委の提言は、「責任だけでなく、権利・自由が均衡することで、大人としての自覚を呼び掛けられる」というのが、18歳からギャンブルも飲酒・喫煙も許可する理由でした。手段を選ばず(公営とはいえ)ギャンブル収入のアップを狙ったり、酒産業やタバコ業界からの要請を受けた出来レースだったのかと疑ったほど、驚くべき提言でした。
「じゃんじゃん飲んで吸って張ってください。その代わり投票もしっかりしましょう」と言いたいのでしょうか。こんなことと引き換えでないと、18歳の責任を覚えられないほど、日本の若者たちはバカではありません。
18歳といえばしっかり勉強し、教養を積み、よい人間関係を築き、誠実に生きるために学ぶことがいっぱいある時期です。そこでギャンブルに関して教えるなら、私なら次のように言います。
「社会貢献ができるようになって、もし競輪や競馬にも関心が向いたら、収入の数パーセントだけ賭けてみなさい。その代わり競輪・競馬場には、アスコット競馬場へいく気分で、正装して出かけなさい。その余裕がないなら、あなたにギャンブルは10年早い!」
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