日本の職場「縦割り」「分断」全然変わらない4理由 なぜ20年経っても変えることができないのか

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では、「分断」「縦割り」な職場を「つなげる」ことの意味はどこにあるのだろうか。

それは、現場同士の「交流」(interaction)が生まれることで情報が「交流」し、知恵が「交流」することである。

現場力は「実践知」を生み出す活動である。

それぞれの現場が単独で努力するだけでなく、現場同士がネットワークを組み、みんなで知恵を分かち合うことが、これまで以上に重要となっている。

組織は「縦社会」のように「縦の力」がきわめて強い。しかし、縦糸と横糸が組み合わさってはじめて織物がつくられるように、縦と横が重なり合うことで強い組織はつくられる。

「横串」「横展開」という「横の意識」を高めることが、いまこそ求められている。

「3つのつながり」で現場力はどんどん高まる

とはいえ、放っておいても現場同士は勝手にはつながらない。「交流」を創造するための仕組みや仕掛けを講じる必要がある。

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そのためには、まず「人の交流」を生み出すのが先決である。

たとえば、現場のリーダークラスがお互いの現場を訪ねるなど、「非日常」を経験させることが大事だ。

人がつながれば、そこから「情報の交流」「知恵の交流」が生まれてくる。

現場同士をつなげ、有機的な関係性やネットワークを構築することによって、現場同士が相互に刺激し合い、協力し合い、現場力は間違いなく高まっていく。

「分断」「縦割り」をなくし、「人」「情報」「知恵」を交流させることが、これからの「新しい現場力」へとつながっていく。

「人の交流」「情報の交流」「知恵の交流」によって「つながる力」が高まっていく(イラスト『新しい現場力 最強の現場力にアップデートする実践的方法論』より)
遠藤 功 シナ・コーポレーション代表取締役

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えんどう いさお / Isao Endo

早稲田大学商学部卒業。米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。三菱電機、複数の外資系戦略コンサルティング会社を経て現職。2005年から2016年まで早稲田大学ビジネススクール教授を務めた。

2020年6月末にローランド・ベルガー日本法人会長を退任。7月より「無所属」の独立コンサルタントとして活動。多くの企業のアドバイザー、経営顧問を務め、次世代リーダー育成の企業研修にも携わっている。良品計画やSOMPOホールディングス等の社外取締役を務める。

『現場力を鍛える』『見える化』『現場論』『生きている会社、死んでいる会社』『戦略コンサルタント 仕事の本質と全技法』(以上、東洋経済新報社)などべストセラー著書多数。

 

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