日本の職場「縦割り」「分断」全然変わらない4理由 なぜ20年経っても変えることができないのか

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【理由③】職場が「半径5m」に埋没している

現場は、企業活動における「価値を生み出す主体」である。そのミッションを遂行するためは、わき目も振らずに目の前のことに没頭し、懸命に「いま・ここ」を生きることが求められる。

放っておけば、現場は目の前のことにしか関心を持たないし、「その日暮らし」に陥る。

つまり、現場は「半径5m」の中だけで生きているのだ。

「半径5m」という狭い世界に埋没している現実

実際の職場では、以下のような話があった。

「工場内のほかの製造現場を見学したことがない」
「その工場内にはいくつもの建屋があるが、ほかの建屋に入ることもまれだ」
「隣に座っている営業マンがいま何をしているのかよく知らない」


 物理的に同じ空間にいるだけで、そこには何の「つながり」も生まれていない。それぞれが「半径5m」というきわめて狭い世界に埋没しているのである。

【理由④】リモートワークで「人の分断」が生じている

コロナ禍で増えはじめたリモートワークでは「人の分断」を招きやすい。

たとえば、新入社員などは就職活動の面接から入社後研修に至るまで、ほぼすべてがオンラインで実施。配属後の慣れない仕事も最初からリモートワークであり、気軽に上司や先輩に相談できない。

リクルートキャリアコンサルティングが行ったテレワーク実施前後のモチベーション変化に関する調査によると、テレワーク下でチームでの仕事が減った人に限ると、「モチベーションが低い」とする回答が28.4%だった。これは実施前の13.9%と比べると2倍以上になっている。

便利だからといって、リモートワークやオンライン一辺倒になってしまっては、「人の分断」が生まれやすく、「社員のモチベーション低下」も招いてしまうおそれがある。

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