「生理の日まで確認」中国政府の出産圧力のヤバさ 一軒一軒回って家族計画について尋ねている

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

一部の学者や活動家、一般女性は、政府がより強硬な手段で女性の選択肢を制限するのではないかと懸念している。中央政府は最近発表したいくつかの保健計画で「医療的に必要のない人工妊娠中絶」を減らすと公約。ソーシャルメディアには、中絶手術へのアクセスが制限されるのではないかと心配する人々からのコメントが殺到した。

政府は何をもって「医療的に必要ない」とするかの定義を明らかにしておらず、10年以上前から同様の公約を掲げている。中国は世界で最も人工妊娠中絶率が高い国のひとつだが、これは一人っ子政策によって中絶手術が広く利用できるようになったことが一因だ。

中絶が新たに広く制限されたとする報告は今のところ出ていない。とはいえ、政府が出生数増加を急き立てていることから、多くの女性に警戒心が広がっている。

中絶を受けるのに計画出産課からの許可

警戒心をさらに高めているのが、一部地域では中絶手術へのアクセスがすでに医師だけでなく、役人によっても監視されるようになっているという事実だ。役人は純粋な医療的見地からではなく、それ以外のことを考慮している可能性がある。一部の都市では、妊娠14週以上の女性は中絶を受ける前に地域の計画出産課から許可を得る必要がある。

中絶許可の義務付けは、一人っ子政策時代に広く行われていた女児の中絶を防ぐため、2000年代に導入されたものだ。だが、このような義務付けが存在する場所の1つである南京市では、2カ所の計画出産担当事務所の職員が、大抵の場合は中絶を思いとどまらせようと試みていると話した。

職員らは、取材を受ける権限がないという理由で名前を明かさなかったが、中絶の申請を断念させるように、という明確な指示は受けていないと述べた。一方で、2人の職員はいずれも、政府が三人っ子政策に転換したことや、若者が子どもを産みたがらない状況に言及した。

ある計画出産担当事務所の窓には、結婚と出産を奨励するポスターが14種類も貼られていた。「人生は愛の継続」と書かれたポスターには、3人の子どもたちと遊ぶ若いカップルの姿が描かれていた。

(執筆:Vivian Wang記者)
(C)2024 The New York Times

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事