「生理の日まで確認」中国政府の出産圧力のヤバさ 一軒一軒回って家族計画について尋ねている

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今年北京で開催された全国人民代表大会で、中華全国婦女連合会(ACWF)を代表するガオ・ジエは記者団に対して、こう述べた。「私は女性として、新たな生命を産み出すことなくこの世を去るのは、本当に残念なことだといつも感じています」。

こうした厚かましいアプローチにより、少なくとも女性たちが、結婚・出産を奨励する国家主席・習近平の呼びかけから耳をふさぐのが難しくなっている。一部の人にとってこれは、あからさまなプライバシーの侵害だ。

SNS上では、女性たちが地域の役人から連絡を受けたことに不満を漏らしており、その中には前回の生理の日付を尋ねる電話までかかってきたという人もいる。

一人っ子政策も出産奨励も発想は同じ

フェミニズム運動の取り締まりを指揮してきた習は、出生率の引き上げを国家の優先課題として推進することは、女性たちが「つねに党と共に歩む」ことを確実にするための一歩だと述べている(1人の女性が一生の間に産む子どもの数を示す合計特殊出生率で中国は世界最低水準にあり、昨年はアメリカの1.62よりも低い約1.0だったと推計されている)。

この出産奨励策は、中国共産党が生殖に関する国民の決断に党の意向を押し付けてきた長い歴史を思い起こさせるものでもある。中国共産党は1970年代から数十年にわたり一人っ子政策を実施し、ときにそれは過酷なものとなった。許可なく妊娠した夫婦には罰金が科され、妊娠中絶を強要される女性もいた。

中国経済が発展するにつれ、中国共産党は産児制限を多少緩和し、2021年には夫婦1組につき3人まで子どもをもうけることを認めたが、制限を完全に解除することはなかった。

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