ホンダSUV「WR-V」は、なぜタイで開発されたのか 250万円以下、ガソリンエンジンのみという潔さ

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2024年6月26日〜30日に開催されたバンコクオートサロン2024のホンダブース
2024年6月26〜30日に開催されたバンコクオートサロン2024のホンダブース(写真:三木宏章)

最後にタイに駐在している平村さんにタイやインドのクルマ事情について話を聞いた。

「タイはEV人気が高く、充電スポットなどのインフラも充実しています。充電スポットについては、商業施設等のほか、ガソリンスタンドの裏手にも設置され、急速充電対応がほとんどです。一方のインドは、SUVが流行りはじめたのが3年前くらいで、これからといった印象です。実際にインドで販売しているホンダ車は、エレベイトを除き、シティとアメイズというセダンのみ。また、WR-Vも、日本やタイでは比較的手頃なSUVですが、インドでは高級車的な扱いになります」と、現状を教えてくれた。

ちなみにタイは、スポーティなクルマの人気が高く、シビックやシティなどの車種だけではなく、SUVのHR-Vや「CR-V」、WR-V、セダンの「アコード」などにもスポーツグレードの「RS」が設定されているのも面白いところだ。

WR-Vの走行シーン
WR-Vの走行シーン(写真:三木宏章)

また、タイ渡航前に再確認のため、WR-Vに試乗してみたが、「シンプルだからこそイイ!」が詰まっていた。

運転してみると、今どきのSUVとしては軽量な1230kg(Xは1210kg)という車重に加え、1.5L i-VTECエンジンの組み合わせは軽快だし、内装もシンプルだがチープな感じもなく必要にして十分。リアシートはヘッドクライアランスも、足元のスペースにも余裕があり、ゆったりとくつろげる。荷室もコンパクトSUVとして十分な広さ。そして見た目は、コンパクトSUVだが車高が高く、数値以上の大きく見えるので「SUVを手に入れた」という所有欲も満たしてくれるだろう。

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「4WDやハイブリッド車がほしければヴェゼルを購入してくださいね!」と言わんばかりの潔さは好感が持てるし、タイでも「EVがよければe:N1、ハイブリッドがよければHR-Vをどうぞ!」といった具合なのだろう。

こういう割り切ったモデル、また魅力的なクルマの選択肢が増えるなら、海外生産車の日本導入は大歓迎だし、どんどん増えれば逆輸入車に対する不安も払拭されるのではないだろうか?

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三木宏章 東洋経済オンライン編集者・記者

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みき ひろあき / Hiroaki Miki

1984年5月5日生まれ。三重県出身。鳥羽商船高等専門学校・電子機械工学科卒。チューニングカー雑誌の編集者としてキャリアをスタート。その後は、パソコン/スマートフォン/ガジェット等の雑誌編集、ITコンサルティング会社にてWEBコンテンツ企画・製作等を担当。得意分野は自動車を中心にものづくり全般。また、過去に1年半で17ヶ国、バックパッカーとして放浪した経験もあり。

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