ホンダSUV「WR-V」は、なぜタイで開発されたのか 250万円以下、ガソリンエンジンのみという潔さ
ちなみにWR-Vの室内寸法は長さ1945mm×幅1460mm×高さ1280mmで、ヴェゼルは長さ2020mm×幅1445mm×1225mmなので、室内長はヴェゼルが上まわるが、幅や高さはWR-Vのほうが広くなっている。それでいて最小回転半径は、ヴェゼルの5.3~5.5mに対して、WR-Vは5.2mと小まわりが利くので、シーンやユーザーを問わず、使いやすいことが容易に想像できる。
走行面に関しては、「インドはお世辞にも道路事情がよいとは言えず、ときには牛が道で寝ていて急停車しないといけないことも……。そこで初期の応答性より、落ち着きのある欧州車的な操作感が好まれる傾向にあります。WR-Vでは、素直なステアリング特性をはじめ、全体的にリニア感より寛容性を持たせたセッティングにしています」と、グローバルモデルとして味付けも変えているそうだ。
デザイン面は、所有欲を満たす動感を意識
そしてデザインは、ボンネットフードの中央を低く、左右のボリュームを持たせ、サイドウインドウの下端に重ね合わせることで一体感を演出。これにより前方の状況を把握しやすく、なおかつ車両感覚も把握しやすくしている。日本では都会的なSUVが人気だが、まだSUVブームになって日の浅いインドでの販売を想定し、スタンダードなスタイルに仕上げた。
ちなみに開発はタイだが、生産はインドのラジャスタン州にあるタプカラ工場で行われる。このタプカラ工場での日本向けモデルの生産もWR-Vが初になるが、グローバルモデルを多数生産してきた実績があり、品質も確保していると平村さん。
「タプカラ工場は、2014年にできた比較的新しい工場で、最先端の設備が導入されています。また、日本からの技術指導も頻繁に行い、そこで生産されるWR-Vも自信を持っておすすめできる品質になっています」と、開発だけではなく、生産面でも安心感を強調した。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら