ホンダSUV「WR-V」は、なぜタイで開発されたのか 250万円以下、ガソリンエンジンのみという潔さ

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タイで試乗したホンダのシティ・ハッチバック
以前にタイで試乗したホンダのシティ・ハッチバック(写真:三木宏章)

ちなみにプラットフォームには、完全な新規設計ではなく、フロントセクションにコンパクトハッチバック/セダンの「シティ」、リアセクションに3列シートSUVの「BR-V」を組み合わせる形で構築している。

どちらもタイで生産・販売されているモデルで、それらのプラットフォームを組み合わせることで開発期間短縮とコスト削減、さらに生産性の高いクルマづくりが実現したそうだ。これも「お客様に早く届ける」ために考え抜いた方法であり、タイに拠点を置くホンダR&Dアジアパシフィックだからなし得た開発と言えそうだ。

シティとBR-Vの良いところを併せ持つ

また、シティとBR-Vのプラットフォームを使うことで、走行安定性と居住性を高めることにも成功している。フロントセクションはコンパクトカーに相当するシティを活用しながら、後席の足元あたりから3列シートSUVのBR-Vの骨格を使うことでホイールベースは2650mmと、ヴェゼルより40mm長めに設定(ちなみにヴェゼルのホイールベースは2610mm)。これによって走行安定性が高くなり、ロングドライブの疲労軽減にも貢献する。

WR-Vの後席
WR-Vの後席。足元も広く、ゆったりとした空間が広がる(写真:三木宏章)

また、3列シート車のBR-Vの骨格を活用しているので、後席の居住性も高く、荷室も確保しやすい。とくにインドでは、毎週のように帰省し、広大な国土を何時間もかけて移動する家族が多いそうだ。そのため、大人5人が乗っても余裕のある広さが条件だった。加えて、乗り心地にもこだわり、リアシートに厚みを持たせている。

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