ホンダSUV「WR-V」は、なぜタイで開発されたのか 250万円以下、ガソリンエンジンのみという潔さ
2024年4月22日に発売された本田技研工業(以下、ホンダ)の新型SUV「WR-V」。発売後1カ月での累計受注台数は約1万3000台と、月産販売計画(3000台/月)の4倍超という好調なスタートを切った。2024年4~9月の乗用車ブランド通称名別ランキング(軽自動車を除く登録車、日本自動車販売協会連合)で23位に入り、期間中の販売台数は1万7891台。これはホンダのSUVラインナップのうち「ヴェゼル」「ZR-V」に次ぐ3番目の売れ行きだ。
そんなWR-Vの魅力といえば、最上位グレードの「Z+」でも250万円を切る価格設定だろう。さらに廉価グレード「X」なら209万8800円で、コンパクトカーの「フィット」(172万0400円〜284万6800円)や軽自動車の「N-BOX」(168万9600円~238万2600円)との価格差も小さく、比較検討するユーザーも多いだろう。
その価格を実現しているのが、シンプルなグレード構成と、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)+ガソリン車のみに割り切った戦略だ。
タイで開発され、インドで生産されるWR-V
そんなWR-Vは、タイで開発され、インドで生産される、いわゆる逆輸入車だ。
タイなどの東南アジア諸国ではWR-V(マレーシアなどで販売されるWR-Vは別車種)、インドでは「エレベイト」という車名で販売。ただ、「タイで開発したホンダ車って大丈夫?」「インド生産って品質面で不安……」と、東南アジアや発展途上国などで開発・生産された逆輸入車に対してネガティブなイメージを持つ読者もいるだろう。
そこで今回は、WR-Vの開発を担当したホンダのタイ拠点「ホンダR&Dアジアパシフィック」で、WR-Vの開発、また生産国のインドのクルマ事情などについて直撃した。
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