「上司がめっちゃ優しくて…だから辞めました」 「最近の若手は厳しくすると辞める」に潜むワナ

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また、IT企業に勤めていた25歳のY氏はこんな話をしてくれました。

私はもともと何か1つのことに打ち込むタイプで、学生時代はバスケに打ち込み、放課後の練習と朝練、土日は試合という日々が本当に楽しかったんです。
でも社会人になって初めに就職した会社は17時になったら帰らされて、それ以降、やることがなくて、時間を持て余すのが本当につらかったです。
それで転職しました。いまの会社は副業OKなので、業務後とか土日は副業でウェブデザインの仕事をしようと思って、いまはそのためのスキルを学んでいます。
Y氏(元IT企業、25歳)

こういったニーズを把握せずに「若手はストレスに弱いから、ハードに仕事をさせてはいけない」と思い込み、仕事の負担を軽くしたら、「この会社はぬるいです。もっと厳しい環境でもまれたいです」と言って若手が辞める。そんな事例は少なくありません。

しかも、この場合、成長欲求の強い貴重な人材の流出となるため、会社にとっては大きな痛手となります。

得たいスキルが得られなかったことによる離職

また、業務量だけでなく、業務内容についてもニーズが満たされないと、それが離職の原因となります。

大手コンサルティング会社に勤めていた28歳のN氏は、経営コンサルティングのスキルが身につくと思って入社したものの、実際の仕事はデータ収集やパワーポイントの資料作成ばかりで、コンサルティングスキルが身につかない状況にうんざりしていました。

その旨を上司に相談すると、「いまは下積みの時代だから。年次が上がればコンサルティングスキルが身につく仕事もできる」と言われ、その後、数年働きました。しかし、年次が上がって任された仕事は営業でした。

自分の要望が通らない状況に嫌気がさし、N氏は小規模のコンサルティング会社に転職します。その後、私がお会いした際、N氏は嬉しそうにこう話されました。

前職と比べると今の会社はオフィスも福利厚生もインフラもしょぼいです。でも仕事の内容がまさにやりたかったことなので、転職して本当によかったです。
N氏(元大手コンサルティング会社、28歳)
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