山東省政府は以前から自省の石油化学産業の構造に危機感を持ち、2018年に「上大圧小、減量置換(大規模コンビナートにリソースを集中して小規模製油所を減らし、生産能力の削減と置き換えを進める)」という方針を打ち出して、裕龍島プロジェクトをスタートさせた。
同プロジェクトの建設と同時並行で、山東省内の年間生産能力300万トン未満の小規模製油所は閉鎖・集約が進められた。省政府系のネットメディア「中国山東網」の報道によれば、裕龍島プロジェクトの第1期のプラントが生産を始めても、山東省全体の石油精製能力は年間696万トン減少するという。
中国の石油需要は頭打ち
とはいえ、最近の原油相場や中国の石油需要のトレンドを考慮すると、裕龍島プロジェクトが計画通りの生産量や採算性を確保できるかは不透明と言わざるを得ない。
中国では(景気減速やEV[電気自動車]の急速な普及を背景に)石油精製品の需要が頭打ちになり、石油精製能力がすでに過剰になっている。
政府系シンクタンクの石油化学工業規画院は9月24日に開催したフォーラムで、石油精製品の供給過剰により石油精製プラントの稼働率が低下し、中国全体で80%を割り込んでいるというデータを示した。
石油化学製品も同様だ。中国のエチレン・プラントの稼働率は86%、プロピレン・プラントは78%にとどまっており、需給の均衡が崩れている。
(財新記者:羅国平)
※原文の配信は9月25日
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