タイパやコスパ重視も「美容系医師」増加の"実態" 現役医師が匿名で語る「若手の働き方」のリアル

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ベテラン医師: 准教授の言う通りだ。

要するに、医師が一生懸命、患者や家族のために尽くしても、訴えられて裁判などで負けて人生がぐちゃぐちゃになってしまうこともある。「もうやってられないな」という思いで、大野病院事件のニュースを見ていた。その事件の辺りから、医師の仕事のあり方を見つめ直した記憶がある。

患者の姿勢にも問題があり!?

若手医師:教授や准教授の昭和の時代には、医師はこうあるべきという考えはあった。私の親も外科医なので、そうだった。

医師だけなぜか世間から、「患者を優先して、時間や家族を犠牲にすべきだ」といった過度なモラルを求められていることに違和感を覚える。ただ、「それっておかしいのではないか」という考えが、私たちくらいの世代から出てきている。私自身、お金を稼ぐ目的で医療をするという選択について、それってダメなのかと疑問を持ったりする。

ベテラン医師:医師とはどんな存在なのかという哲学が、我々と若手との間で根底から違っていて、しんどい。

お金は不浄なもの、医療でお金を稼ぐことなんてあり得ないというのは、外科医だった私の父の頃からあった考えだ。医療をやっていれば、お金は付いてくるものだと考えていた。

中堅医師:タイパの弊害として、若手の手技的な経験値は圧倒的に、私たちの頃よりも低い。一方で、知識に関しては、デジタルネイティブだけにインターネットなどの情報を駆使して効率性を追求できている。リサーチ力もものすごく高い。図書館で資料を探して、読んでいた時代とはまったく違う。

ベテラン医師:若手の残念な面ばかりを指摘してきたが、知識の面では、私たちは負けているかもしれない。カンファレンス向けのスライドも、私たちには到底、つくれないような質の高いものを仕上げてくる。その点では、今の若手はすごい。

少し違った切り口でも考えてみたい。

政府は「医師の働き方改革」を打ち出しているが、長時間労働が当たり前の医療現場を抜本的に変えるのは難しい。その要因には、患者やその家族にもあると考えている。

例えば「主治医制」。この国では、医師が一度、患者の主治医になると、ずっと主治医であり続ける。しかし、これは世界でも珍しい。特に、チーム医療が確立しているアメリカなどでは絶対にあり得ない

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