"コアラ丼"で話題! コアラ18頭を飼育する動物園 寝てばかりのコアラだけどやっぱりかわいい
この40年の飼育員や獣医師の、努力とチャレンジの積み重ねで今のコアラ飼育は成り立っています。
ユーカリしか食べないコアラにとって、なによりもエサを安定的に確保するという課題。また、食べたユーカリの繊維や毒素を分解するために、1日20時間ほど寝たり休んだりする動物なので、普段通り寝ているのか、具合が悪くて寝込んでいるのかは、飼育員が経験を積まないと判断がつきません。
飼い始めた当時の飼育員は、それまでに接してきた動物とはまったく違う生態を前にして、それこそ未知の生き物を飼育しているような心持ちだったと思われます。
また近年では、2019年〜2020年にオーストラリアで過去最大級の森林火災があり、約5万頭ものコアラが犠牲となりました。コアラの住処である森林の減少の影響で、市街地近郊にまで生息域が拡大し、交通事故で命を落とすコアラも数多くいます。
赤ちゃんのエサはお母さんのうんち
コアラには「生まれた日」のほかに、袋から出た「出袋日」があります。生後2〜3カ月すると育児のうの中で動いているのが分かるようになり、4〜5カ月で袋は大きく膨れ、おさまりきらない手足がはみ出ていることもあります。
そして、生後6カ月では体の大半が袋から出てくるのですが、赤ちゃんの全身が育児のうから出たことを飼育員が確認した日を「出袋日」として、動物園の台帳に記録します。ほんの一瞬、子供のお尻を持ち上げ、そこで性別も確認します。
出袋した赤ちゃんは「出てしまった!」という様子で、見慣れない光景にあたふたしていることが多いです。