「ああ、ロミオ」短いセリフに詰まった深い意味 有名なセリフには有名になる理由がある
今年、生誕460年を迎えたウィリアム・シェイクスピア。約400年前の劇作家でありながら、その作品は、現代のビジネスで成功するために必要な要素がつまっていたり、今で言う「ツイ廃」のような主人公が登場するなど、先駆的な内容です。
本稿では、蜷川幸雄のもとで演出を学び、シェイクスピア劇を現代にアップデートする演出家・木村龍之介氏が、『ロミオとジュリエット』のあの有名なセリフがなぜ凄いのかを解説します(『14歳のためのシェイクスピア』より一部編集して抜粋)。
海外の政治家がみな学んでいるセリフ
シェイクスピアの作品には、現代の私たちから見ても「すごい」「ヤバい」言葉がたくさん出てきます。その中で今回注目したいのは、「相手を行動させる言葉」です。
自分の信念、主義主張を伝えて、人々を行動させる……みなさんにぜひ知ってほしい、『ジュリアス・シーザー』という作品の言葉があります。それは、海外の政治家が絶対に学ぶという、アントニーの演説シーンです。人前でスピーチをする時にはぜひ参考にしてほしい、演説の手本となるような名場面です。
ローマで民衆から絶大な支持を得ていた政治家、ジュリアス・シーザーが暗殺されます。暗殺したのはローマの政治家たち。首謀者の一人にはシーザーの側近、ブルータスもいました。信頼する相手に刺されたシーザーが「お前もか、ブルータス」と言ったのはあまりにも有名です。
トピックボードAD
有料会員限定記事
ライフの人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら