今こそ「世阿弥」現代人が共感する600年前の言葉 未来への不安に「答え」を見出すヒントがある
室町時代に、父の観阿弥(かんあみ)と親子で能楽を大成し、多くの書を残した世阿弥(ぜあみ)。歴史の授業で名前を聞いた記憶はあっても、あまりよく知らない、という人も多いのでは。しかし世阿弥の残した言葉には、ビジネスパーソンが仕事術としてすぐに使える要素がたくさんあります。そこで改めて世阿弥について、能楽師・森澤勇司氏の編訳『超訳 世阿弥』より一部を抜粋しご紹介します。
世阿弥は「天才プロデューサー」
みなさんは世阿弥と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
社会科の教科書で見たことがあるくらいが大半ではないでしょうか。では、「初心忘るべからず」という言葉はどうでしょうか?
こちらは聞いたことがあるとか口に出したことがあるという方が大半だと思います。そのくらい有名な格言です。
多くの日本人が知っている「初心忘るべからず」という格言を生み出したのが、室町時代の能役者世阿弥です。
世阿弥の活躍した時代は室町時代、西暦でいえば1300年代後半です。現代まで600年間演じ続けられる能楽の基盤を作った能役者であり天才プロデューサーです。世阿弥の演劇論と数多くの能楽作品が現代まで伝承されています。
ちょうど現代の人気 YouTuber が古文書に独自の解釈や仮説を語るように、知的好奇心を刺激するメディアとして能は世阿弥によって大成されていきました。
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