「ああ、ロミオ」短いセリフに詰まった深い意味 有名なセリフには有名になる理由がある
アントニーは最後に何を伝えたか。
実は、亡くなったシーザーは、市民たち1人ひとりに75ドラクマ(古代ギリシャの通貨単位)という、高額なお金を分け与えるつもりだったと言うのです。シーザーは、市民1人ひとりにお金を用意していた、そこまで市民たちのことを想って尽くそうとしていた……。
民衆の心が1つになります。もう市民たちは完全にアントニーの思い通りに行動します。一度動き出した群衆を止めることは誰にもできません。さて、ローマはどうなるのか?
これは実際の戯曲で読むとめちゃくちゃアガる場面なので、ぜひ読んでほしいところです。シェイクスピアは用意周到で、こんな風に、ストーリーで相手を動かすこともします。特に相手を行動させる時ほどそうします。そうでないと人は動かないとわかっていたんですね。
「ああ、ロミオ」にぜんぶつまっている
ここで、みなさんご存じの言葉もご紹介しましょう。『ロミオとジュリエット』です。中でも一番有名なセリフ、何が思い浮かびますか? 絶対聞いたことあるはずです。そうです、それです。
この言葉、音として耳に残りますよね。ちょっとみなさん、言ってみてください。
ああ、ロミオ、ロミオ、どうしてあなたはロミオなの?
なんかちょっと、気持ちいいですよね。「言いたくなる」リズミカルな言葉は世の中に普及するということを、シェイクスピアはわかっているんです。それだけ聞いてもよくわからないけど、確実に耳には残る言葉です。
ロミオとジュリエットはお互い激しい恋に落ちますが、それぞれがモンタギュー家とキャピュレット家、憎み合う家同士だったので、絶対に愛し合ってはいけない。そんな設定をイメージしながら、この言葉をもう一度味わって見ましょう。
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