激安EC「Temu」テレビ、YouTubeで広告増える謎 安さの理由は?幅広い世代が利用している

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ECプラットフォームとしての差別化に成功すると、iPhoneのような高額品も取り扱うようになり、2018年にはナスダックに上場した。中国の消費が低迷し、デフレがささやかれるこの1、2年は、さらに存在感を高めている。

同じく中国発の越境アパレルEC「SHEIN」がアメリカ市場で大成功したのを受け、PDDホールディングスは2022年9月、「Temu」を立ち上げアメリカでサービスを始めた。激安商品のサプライチェーンを中国で確立したうえで参入したため、海外でも最初から大規模に展開できたのだ。

日本には2023年夏に上陸したが、Temuは市場が大きいアメリカに力を入れており、日本市場はテストマーケティングと見られていた。

何かと比較され、Temuと訴訟合戦を繰り広げているSHEINは日本にチームがあり、ニュースリリースを発表したり、広報代理店を通じて取材を受けているのに対し、Temuはその手の窓口も日本にない。

だが最近、Temuの日本での勢いはすさまじいものがある。

冒頭の50代女性だけでなく、50代の男性会社員から「Temuで部屋着を数セット買ってみた」と聞いた。40代の在日中国人男性は「中国に住んでいたとき、安物しかない拼多多は絶対使わなかったが、中学生の息子がTemuで買い物をしたいと言い出して、しぶしぶアプリをダウンロードした」と苦笑した。

Temu 日本 CM
8月下旬に導入したセミマネージド・モデルによって家具などの出品がしやすくなった(写真:Temu公式サイト)

失礼ながら情報感度がそれほど高そうでない人たちがTemuを使っているので、どこで知ったのか尋ねると、「テレビCM」だと返ってきた。

YouTubeやテレビCMなど広告が増える

そう言われて調べてみると、Temuは今年に入って日本で次々に広告を打っている。

YouTubeのタイアップ企画は2月ごろから急増し、「Temu 提供」で検索すると渡辺美奈代などのタレント、整理収納系、キャンプなどのユーチューバーによる動画が多くヒットする。

たくさん買い物をして届いた商品を紹介し、アプリで使えるクーポンコードをコメント欄で紹介するのがお決まりのパターンだ。YouTubeにはタイアップでない「Temuが危ない」系の動画も同じくらいあり、こちらも再生数を伸ばしている。

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