任天堂も激怒「酷似ゲーム」会社が犯した痛恨失態 特許権侵害で訴訟され…出した"声明"にツッコミが殺到

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そもそも、すでにポケットペアは「インディー」と言えないのではないかとの見方もある。7月にはソニー・ミュージックエンタテインメントと、アニプレックスとともに、パルワールドのライセンス事業を手がける「パルワールドエンタテインメント」の設立を発表している。ノウハウを持つ大手と組んでIP(知的財産)を展開するとなれば、それはもはやメジャーなのではないだろうか。

さらに声明文は、主語の大きさに加えて、「同情を求める文章」だったことが、火に油を注ぐ結果となった。文字ベースのコミュニケーションにおいて、感情をあらわにした表現は、どちらに転ぶか、状況によって変わってくる。うまく興味を引くことができれば効果的だが、そうでない場合には、不要な反感を買いかねない。

感情を込めた描写は、ときに「お気持ち表明」と呼ばれ、嘲笑の的になることもある。また使い方によっては、「お涙頂戴」もしくは「ユーザーにこびている」のように感じさせてしまう。そうなれば、本来は枝葉でしかない部分ばかりに目が向いてしまい、本来伝えるべきメッセージはかすんでいく。

筆者も含めて、ネットユーザーの多くは、あまのじゃくだ。ときには「あら探し」と言えるほど、ツッコミどころを探し、ちゃちゃを入れることに、ある種の達成感を覚えている部分がある。そうした性質を考えると、不用意に「ツッコミどころのある文章」を公開するのは、みずから炎上に飛び込んでいくのと同じだ。

ネットユーザーの視点を欠いた声明文

これらの状況を勘案すると、ポケットペアの声明文は、「ネットユーザーにどう受け取られるか」の視点に欠けていたように思える。主語の大きさや、感情をかきたてる文章は、平常時であればプラスになる場合もある。しかし、今回のように、その対応を問われている場面では、逆効果になりかねない。

加えて、任天堂のIP分野が、ある意味でネットユーザーから神格化されていることも大きい。これまで同社のゲームに関係する訴訟で勝ってきたことから、「任天堂法務部」は、ある種のネットミームと化してきた。

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