研究開発を最重視した中国空調大手の「格力」、エアコン生産首位への20年

1990年、冠雄空調機社は商標を「格力」(グリー)に切り替えた。中国語の「格別有力」の略称といってもいい。同社はこの商標が示すとおり、それから20年、悪戦苦闘を続けるが、決してその力が衰えることはなかった──。

格力は当初、農村市場を攻略。その頃、春蘭や華宝などの国内空調機(エアコン)メーカーは、大都市に注目していたからだ。具体的には安徽省、浙江省、江西省、湖南省、雲南省、河南省などに注力した。

その後3年で、農村市場での足場を固め、94年に初めて北京、広州、南京などの大都市戦略を実施。この戦略が奏功し、4年後には格力のシェアは35%に達した。11・2%の春蘭、5%の三菱電機を突き放してトップメーカーに躍り出た。

96年には冷夏に見舞われた。空調機がまったく売れず、販売代理店からは値下げ要請が殺到。しかし、董明珠総裁は値下げに応じなかった。「価格を安くすれば、取り付け費用を絞ることになり、品質保証やアフターサービスができなくなる」。

市場には、格力より800~1000元も安い空調機が出回っていた。しかし、消費者は今後もっと安くなると思い、空調機を買わなくなった。

董総裁はマスメディアに出演し訴えた。「500元の空調機が売られているが、いったい誰が買うのか。これで品質が保証されるのか。企業も利益が出ない。倒産してしまえば、アフターサービスもできない」。

政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • CSR企業総覧
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • 日本野球の今そこにある危機
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
ストロング系チューハイの光と影
ストロング系チューハイの光と影
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
人材戦略から儲けのからくり<br>まで コンサル全解明

人材の争奪戦が過熱し、年収水準もうなぎ登りに。デジタル化を背景にコンサルティング業界は空前の活況を呈しています。本特集ではコンサル業界の動向やビジネスモデルを徹底解説。コンサル会社を賢く選び、上手に活用していくノウハウを紹介します。

東洋経済education×ICT