研究開発を最重視した中国空調大手の「格力」、エアコン生産首位への20年

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海外市場の開拓によって、2005年から格力は空調機生産ナンバーワンの地位を不動のものにしている。11年には空調機の生産が5000万台に達し、商業用空調機も550万台に上る計画だ。

「他社にできて、うちにできないわけがない。当社なら他社よりいい製品を作れる。私はつねにそう考えている。これはチャレンジだ。研究開発、研究開発、私はこの言葉をいつも繰り返し強調している」

董総裁はトーンを強めて言う。「いったい他社は、売上高の何%を研究開発費に回しているのか。私は、必要ならいくらでも研究開発費に回す」。確かに格力の研究開発予算は青天井だ。

ライバルは自分自身 つねにチャレンジ

今では300以上の研究所を抱え、冷凍関連の技術では、中国で4000項目の特許(うち発明特許は710項目)を持つという。

「これまでは外資を導入し、外部の人材を招聘した。これからは格力の自主創新の時代だ。チャレンジは自分に向けてやらなければならない」と、董総裁は展望する。

生産技術の向上努力も怠っていない。全調達部品の再検査基準、製品に取り付けた新機能を繰り返し実用実験する仕組み、製品の無欠陥を目指す制度など、格力の企業内では今も厳しい品質基準が堅持されている。

09年の国会会期中に、胡錦濤国家主席は董総裁に会って、こんなエピソードを披露した。

「アフリカを訪問した際、みんな格力の空調をたたえていたが、欠点が一つだけあると聞いた。出掛ける前に空調をオフにしなければならないのだが、ノイズがまったくないので、いつも忘れると言っていた」

(中国『中国経済周刊』 11月14日号/崔 暁林記者、グ ヤンスワン記者 =週刊東洋経済2011年12月17日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。写真は格力社サイトより
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