最後の日米首脳会談では、バイデン氏から「最大限の賛辞」を贈られ、岸田氏も「万感胸に迫る表情」(同行筋)だったとされる。「まさに“センチメンタルジャーニー”」(政治ジャーナリスト)とも揶揄された訪米だが、「そもそも、岸田氏自らが決めて実現させた日程で、訪米中は総裁選と並んで報道され、存在感をアピールする目的は達した」(官邸筋)との見方が広がる。
岸田氏は帰国直後から総裁選対応に集中する構えで、27日の投開票日に向け、側近らと戦略を練ることになる。その総裁選は「ふたを開けるまで誰が勝つか分からないという過去に例のない大混戦」(自民長老)となるのは確実で、だからこそ「勝敗のカギを握る」(同)とされる岸田氏の動向に注目が集まるのだ。
総裁選後に「黄金期」を迎える?
そうした状況を踏まえ、党内からは「今回の総裁選だけでなく、今後数年間の政局と自民内権力闘争に視野を広げると、岸田氏は明らかに菅氏や麻生氏より優位に立っており、総裁選後に"黄金期"を迎えてもおかしくない」(同)と指摘する向きもある。
確かに、現状を見る限り「今後数年間、総理総裁の座を争うとみられる9人の候補達のほとんどが、岸田氏との関係維持に注力する」(政治ジャーナリスト)との見方が少なくない。
このため自民党内でも、「総裁選の結果次第では、長期間党内実力者の座を維持してきた麻生、菅両氏や二階俊博元幹事長、森喜朗元首相を押しのけての『岸田1強』時代の幕開けになるのでは」(自民長老)との声も出始めている。
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