「どうする河野太郎」出馬めぐり麻生、菅の板挟み 若手台頭で「最後のチャンス」との見方も
9月の自民総裁選への出馬を目指す河野太郎デジタル担当相(61)に対し、永田町で「挑戦権喪失」の危機がささやかれている。所属派閥領袖の麻生太郎副総裁が、岸田文雄首相(総裁)の再選を支持する立場から河野氏の出馬を認めない公算が大きく、その場合、「断念か派閥離脱による出馬か」(周辺)の厳しい選択を迫られるからだ。
河野氏は2021年の前回総裁選の決選投票で岸田首相に惜敗したことで、捲土重来を期す。同氏は2009年総裁選にも出馬しており、今回は「まさに『3度目の正直』を狙っての出馬」(同)ともなる。しかも、父・洋平氏(元自民総裁・元衆院議長)、祖父・一郎氏(元副総理・五輪担当相=故人)がいずれも、「あと一歩で総理総裁を逃す」という悲運の名門・河野家の3代目だけに、「悲願達成へ意欲満々」(同)なのは当然でもある。
初当選時から「総理総裁を目指す」と公言し、46歳で総裁選に出馬した河野氏。ただ、父・洋平氏が宏池会(宮沢派=当時)を離脱して結成した河野グループを受け継いだ麻生氏は総理・総裁の座を射止め、現在も「キングメーカー」として君臨しているため、河野氏も「麻生氏の後ろ盾がないと勝負できない」(側近)との見方が多い。
その一方で、河野氏の「実質的後見人」とされるのは菅義偉前首相。無派閥議員による菅グループは今も党内影響力を維持しており、ここにきて、党内の“岸田降ろし”の旗振り役として活発に動く菅氏にとって、「河野氏は小泉氏と並ぶ重要な手札」(菅氏側近)とされる。ただ、菅氏は麻生氏との「激しいキングメーカー争い」を展開しているため、河野氏は「どちらに支援を頼むかで悩んでいる」(周辺)のが実態とみられる。
親分・麻生氏に頭下げ、「脱原発」も軌道修正
そうした中、河野氏が8月9日夜、都内の日本料理屋で麻生氏と会食したことが注目された。関係者によると、この会食で河野氏は、改めて総裁選出馬の意欲を伝え、みずからが掲げる政策などを説明したとされる。両氏の会食は6月以来で、「麻生氏は明確な意思表示はせずに、河野氏の言い分を黙って聞いていた」(周辺)という。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら