「どうする河野太郎」出馬めぐり麻生、菅の板挟み 若手台頭で「最後のチャンス」との見方も
そもそも前回総裁選では、麻生派が二手に分かれる形で、河野氏と岸田文雄首相の双方を支援した経緯がある。このため、河野氏としては、「今回こそは麻生派の全面的支援を取り付けるべく、麻生氏に頭を下げた」(側近)とみられている。
もともと河野氏は、小泉進次郎元環境相、石破茂元幹事長とともに、世論調査での首相候補番付でのトップ争いの常連で、前回総裁選での連携などから「小石河連合」とも呼ばれてきた。ただ、最新の各種世論調査では石破、小泉両氏に比べて河野氏への国民の期待度が低下し、特に、自民支持層では岸田首相よりも下位となる数字が出始めている。
そこで問題となるのが河野氏の主張する政策だ。もともと河野氏は「脱原発」が持論だったが、前回総裁選では「現実的なエネルギー政策として原発再稼働を当面容認する」と軌道修正した。河野氏を支える若手議員らの助言を踏まえての方向転換とされるが、「支持者の反発などで失速」(自民長老)し、決選投票敗北にもつながったとみられている。さらに、河野氏が閣僚として所管している「マイナンバー」を巡っては、トラブルが相次ぐマイナンバーカードと健康保険証の一体化での「強引な手法」も批判の的で、こちらも人気低下の要因となっている。
「フォロワー最多」が“異端児”批判にも
そうした河野氏の「最大の武器」(側近)は X(旧ツイッター)のフォロワーが国会議員最多の256万人に達することだ。長年続けている「ごまめの歯ぎしり」と題する自らのウェブサイトでの歯に衣(きぬ)着せぬ言動が、フォロワー拡大につながってきた。その一方で、永田町では「ネットの専門家という特質が、『異端児・河野』という批判、不信にもつながっている」(閣僚経験者)との指摘も少なくない。
そもそも麻生、河野両氏の「親分子分としての絆は深い」(麻生派幹部)とされる。名前が同じ「太郎」なので、麻生氏は常々、河野氏を「太郎ちゃん」と呼び、政治家としての人間関係の作り方や、政策づくりのポイントなどのアドバイスを欠かさない。これに対し河野氏も「言われたことはすぐ実行に移してきた」(同)のは事実だ。
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