「どうする河野太郎」出馬めぐり麻生、菅の板挟み 若手台頭で「最後のチャンス」との見方も

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まさに、以心伝心の関係だったのに、今回、あえて河野氏が麻生氏に頭を下げ、出馬の後押しを求めたのは、石破氏ら「ポスト岸田」候補が水面下で動きを活発化させていることで、「このまま埋もれていく怖さもあった」(河野氏側近)という。

ただ、麻生派内では「今回は河野さんを中核で支える司令塔が見えてこない。前回ほど『河野氏を立てて戦うべきだ』という雰囲気ではない」との声が多い。党内には「麻生派の全面支援がなければ20人の推薦人が集まるかどうか厳しい」との指摘もある。だからこそ、親分の麻生氏と、後見人の菅氏の関係との悪化に頭を悩ませるのだ。

菅氏と同期の還暦過ぎ、「オワコン化」の危機も

当選9回の河野氏は菅氏と同期。閣僚経験も豊富で防衛相や外相など重要ポストを歴任してきた河野氏は、61歳と還暦を過ぎてかつての「若手改革派」のイメージは薄れ、「このままではオワコン化しかねない」(自民長老)との不安も広がる。しかも3回目の出馬となれば「ラストチャンス」(麻生派中堅)との見方も出始めている。総裁選では小泉氏や小林鷹之前経済安全保障担当相ら「40代ニュースター」の名前も取り沙汰されているからだ。

そうした中、巨額裏金事件を受けた「派閥解消」が今回総裁選にどのような影響を与えるかは「やってみなければ分からない」のが実情だ。ただ、「ここにきて、各候補の優劣は旧派閥の動きが土台となり、脱派閥の空気はくすみつつある」(自民長老)との指摘もある。河野氏自身は「大きな動きによって変わるのか、変わらないのか。そんなことは誰にも分からない」と笑い飛ばすが、「そのこと自体が『出たとこ勝負の総裁選戦略』の表れ」(同)ともみえるだけに、「今回ばかりは、党内の政争から距離を置いてきた河野氏の“政局勘”が厳しく問われる」(政治ジャーナリスト)ことは間違いなさそうだ。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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