キャリア女性のための「夫選び」のコツ 「やり過ぎ」くらいがちょうどいい?

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

それから、特に高齢出産をすることになる女性は、程度の差こそあれ、誰しも「もしかしたら、生まれてくる赤ちゃんに何らかの障害があるかもしれない」と考えることでしょう。でも、たとえ生まれてくる赤ちゃんに障害があったとしても、親としての愛情には何ら違いはない。むしろ、「精いっぱいの愛情で育てよう」と考えるのではないでしょうか。私もそうでした。そう考えられるようになると、障害のある人、障害のある人を取り巻く環境に対するまなざしも変わってくるんですよね。

重いテーマになりますが、出生前診断で、出産をあきらめた母親の精神的ダメージも無視できません。これもパートナーとの意思統一と協力が不可欠です。

そういう意味では、妻や母親という立場を経験することで、自分の視野がぐんと広くなるんです。その視野の幅は、仕事をするうえで非常にプラスになるんです。

仕事上手は、甘え上手

――高いレベルで仕事をしつつ、家事や育児をこなすというのは、尋常ではない忙しさだったのでは?

何もかも、自分で抱え込むことはない、と開き直っていました。娘が小さい頃の保育園の送り迎えは夫に頼んでいたし、それに対して罪悪感を持つのはお門違い。

キャパシティを超えて抱え込みすぎて、疲弊し、仕事と私生活のバランスを崩してしまう女性は少なくありません。それでは幸せになれない。自分が幸せになれないのなら、いくら仕事ができたって満足な人生にはなりませんよね。

周囲に上手に甘えることができるかどうか。それも、女性がキャリアを積み重ねていくうえで大切なポイントだと思います。

野尻 知里 元テルモハートCEO

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

のじり ちさと / Nojiri Chisato

1952年生まれ。大阪府立北野高等学校を卒業したのち、京都大学理学部に入学。卒業後の進路が「学校の先生」か、「お茶汲み」しかないという現実にぶつかり、京都大学医学部を受験し直し、再入学。その後、小倉記念病院、熊本赤十字病院、東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所などで、心臓外科医としてのキャリアを歩む。
1986年に医学博士号取得、同年から1989年まで米国ユタ大学に留学。
1991年よりテルモ株式会社で人工心臓の開発に従事。2003年に同社米国法人テルモハート社長兼CEOに就任。プロジェクトは4人のメンバーからスタートし、数年後には12カ国約150人の部下を束ねるまでになる。
日本イノベータ大賞(2007年)受賞、日経ウーマン「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2008」で総合ランキング1位。
現在は東京大学COI(センター・オブ・イノベーション)研究推進機構で、国民の健康増進を目指す国家プロジェクトの副機構長を務める。
プライベートでは42歳で出産を経験し、一女の母。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事