とくにLMは今年5月、アメリカのニューメキシコ州にある陸軍のミサイル実験場で Mk.70コンテナ発射プラットフォームからPAC3MSEミサイルを発射し、標的である飛行中の巡航ミサイルを迎撃したと発表した。
このテストは、仮想(バーチャル)化されたイージス兵器システムを使用してPAC3MSEが発射され、実際の標的を迎撃した初めてのテストとなった。日本は、従来のPAC3の改良型で防護範囲が2倍以上に拡大する「PAC3MSE」の配備を進めてきたところである。
統合防空ミサイル防衛への利点
LMによると、垂直発射システムPAC3MSEキャニスターにはミサイル1発が収納され、既存のすべてのMk.41システムに装着できるという。この試験に使用された地上配備型のMk.70システムは、アメリカ陸軍と海軍によって配備された。
LMは「PAC3MSEをイージス兵器システムに統合することで、強化された統合防空ミサイル防衛 (IAMD) 能力がアメリカの海軍兵に提供される」とアピールし、海自イージス艦への導入売り込みを視野に入れているようだ。
ウクライナ戦争でPAC3の迎撃能力に注目が集まる中、新たなMk.70を発射プラットフォームにしたPAC3MSEのイージスシステムへの統合が日本でも必要とされ、導入されるのか。
国際社会はロシアのウクライナ侵略や中国の海洋進出、北朝鮮の核ミサイル開発、イスラエル・ガザ戦争などに直面し、戦後最大の試練の時を迎えており、同時に既存の国際秩序が大きく揺らいでいる。
これを受け、世界各国が防衛費をぐっと増やしており、防衛産業は「成長産業」となっている。好むと好まざるとにかかわらず、日本もその時代の波に乗り遅れないようにしなければならない。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら