マクドナルドの強さ生む「ハンバーガー大学」の志 マニュアルはあくまでも「指針」に過ぎない

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「ハンバーガー大学」での教育は、店舗スタッフの育成にとどまらない(写真:shima-risu/PIXTA)
バブル崩壊後から約35年を経た現在でも、いまだその傷跡が癒えることのない日本。そんな日本経済が抱える課題を解決するためには、現在の日本の社会・経済・企業文化(経営方法や労働環境など)が抱えている問題点を明らかにする必要があると、株式会社KUREYON代表取締役の中澤一雄氏は指摘します。
45年の長きにわたり外資系企業を渡り歩いた中澤氏が体験してきた、マクドナルド社の「フランチャイズ戦略」と「徹底した教育システム」が浮き彫りにする、日本企業に足りない「文化」とは。
※本稿は、中澤氏の著書『ディズニーとマクドナルドに学んだ最強のマネジメント』から、一部を抜粋・編集してお届けします。

名だたる経営者が名乗りを上げた「日本マクドナルド」

日本においてマクドナルドをフランチャイズ展開する日本マクドナルドを創業したのは、藤田田氏です。藤田氏は、アメリカでマクドナルドがものすごい人気になっているのを目の当たりにし、この流れは必ず日本にもやってくると予見していました。

折しも海外進出を目指していたマクドナルド本社には、ダイエー創業者の中内㓛氏をはじめ日本の名だたる経営者や企業が、マクドナルドのフランチャイズ展開をさせてほしいと接触していました。

ところが、もともと東京大学卒でGHQの通訳として働いた経験があり、国際感覚に優れ、英語に堪能だった藤田氏を、マクドナルドの創業者であるレイ・クロックは最終的に選んだのです。その理由は、どんな大企業よりも、無名であってもマクドナルドのために専業で全力を注いでくれる人に任せたかったからだということでした。

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