マクドナルドの強さ生む「ハンバーガー大学」の志 マニュアルはあくまでも「指針」に過ぎない
もちろん、ハンバーガーの作り方や、マックフライポテトの作り方に関して、店長の裁量が入り込む余地はありませんが、店舗運営における、特に経費や人事のコントロールに関しては、店長の裁量に任されているのです。
さて、こうしたマクドナルドにおける徹底した教育は、先ほど少し触れたように、「ハンバーガー大学」という機関で行われています。
「ハンバーガー大学」が育むリーダーシップ
ハンバーガー大学とは、マクドナルドが運営する全日制トレーニングセンターのこと。初めて設立されたのは、1961年のことでした。設立当初は、「ハンバーガー大学」という名称があまりにも大げさに聞こえたためか、揶揄されることもあったようです。
ところが、アメリカの有名雑誌「ライフ」の記者がハンバーガー大学を直接取材し、その内実が明らかになると、全米の人々はマクドナルドがいかにハンバーガー作りに対し、真剣に取り組んでいるかを知って衝撃を受けたそうです。
ハンバーガー大学のカリキュラムは、まず、ポテトやパティなどの食材に関する知識を得ること、ハンバーガー、マックフライポテト、マックシェイクなどの全商品の知識を得ること、店舗のフロアスペース、厨房設備、調理機器の構造と使用方法を知ること、マクドナルドの経営理念、実践的なストア・オペレーションに至るまで、ハンバーガー作りに携わる人間が知っておかなければならないあらゆる知識と技術が網羅されています。
しかも、ハンバーガー大学では、最新の教育理論や手法が用いられており、単なるマクドナルドの店舗で働くスタッフを育成するというだけでなく、生涯にわたって有益となる「リーダーシップ」を学ぶことができます。スタッフに求められる能力だけでなく、マネジメント能力も身につけることができるのです。
マクドナルドの店舗で働く社員全員がハンバーガー大学で学ばなければならないという規定になっています。それほど、マクドナルドでは社員教育に力を入れているのです。
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