226kmを走破「世界一超人の91歳」その驚く肉体 20年間食べ続けてきた「食事メニュー」を公開

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「骨折は多いけど、病気とは無縁」とサラリと話すので驚く。補足すると、骨折の原因は高齢者に多い室内での転倒ではなく、バイクからの落車など、ハードなトレーニングによるものだ。

「若い頃から取り立ててスポーツマンというわけではなかった」という稲田さんが、トライアスロンにはまっていくきっかけになったのは、60歳で始めた水泳だった。

その頃、難病を患って自宅療養する妻の介護をするため、記者として活躍したNHKを定年退職。メタボ解消と健康維持を目的に自宅そばのスポーツジムのプールに通い始めたのである。

60歳で若かったから結構速く泳げるようになって、体も締まってきた」と手ごたえを感じた稲田さんは、水泳仲間とスイム1.5km・ラン10kmのアクアスロン大会に出場し、完走する。

そこでロードバイクで颯爽と会場入りする選手の姿に「かっこいいなあ!」と憧れて、69歳のときにロードバイクを購入した。記者時代から探究心旺盛、ピンときたものにはすぐ飛びつくという稲田さん。これが70歳のトライアスロンデビューにつながった。

メタボ解消の水泳から10年。さらにその先の10年後に、アイアンマンレースの世界チャンピオンになるなど、想像すらしなかった。

稲田弘
2019年、86歳のときにトライアスロン・オリンピック・ディスタンスで優勝(写真:稲田弘さん提供)

なぜ、そこまで自分を追い込むのか?

9年連続の世界選手権出場、3度の優勝という圧巻の戦績も、稲田さんに言わせれば「完走を勝利としたら3勝6敗」。6敗はタイムオーバーなど無念のリタイアだ。

次にめざす勝利は、90歳代以上のカテゴリーでアイアンマン世界選手権完走である。そのために筋肉と骨を維持する毎日のトレーニングも欠かさない。

1週間のうち月・水・金は、所属するトライアスロンクラブのチームトレーニングに参加する。早朝4時半起きで自宅を出て、水だけ飲んで朝食抜きのままクラブのプールで6時から7時半まで3500mを泳ぐ。自宅に戻り、朝食を済ませてからバイク練習へ。

自主練習の火・木は朝8時にラン10km。夕方5時からスポーツジムのプールで2000m泳ぐ。土曜日は本番のレースと同じ順番でスイム、バイク、ラン。日曜も休まずにバイクとランをこなす。

稲田弘さん
リビングに置かれた愛車。テレビを見ながらトレーニングすることも(撮影:風間仁一郎)
稲田弘さん
90代とは思えない、筋肉をまとったふくらはぎが目を引く(撮影:風間仁一郎)
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