アクションカメラ王者「GoPro」が赤字転落の理由 最も安い半額モデルを9月発売で巻き返し狙う

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

近年、SNS上の動画投稿が盛んになるにつれ、アクションカメラの使用シーンは拡大している。従来はGoProが得意とするスポーツやアウトドアでの撮影が主流だった。コロナ禍を経て行動制限がなくなった今は、日常の風景や旅先での思い出を記録する「Vlog(ビデオログ)」向け需要が若者中心に高まっている。

風景や旅先の思い出を記録する「Vlog」向け需要でアクションカメラが盛り上がっている(記者撮影)

ある調査によれば、日本を含むアジア圏は他の地域と比較して、若い女性などが自撮りカメラとしてアクションカメラを購入する傾向が高いという。中国メーカー各社はこうした新たな需要を捉え、GoProの機能を後追いするだけではなく、独自性のある商品も次々に投入することで持続的な成長を遂げている。

実際、アクションカメラ市場の製品更新のサイクルは約1年で、通常のビデオカメラより短い。ゴープロが市場を作って20年以上経つ中で、コモディティ化も進んでおり、新製品が出るたびに旧製品の値下げもあり、価格競争が激しくなっている構図だ。

セールや値下げ競争激しく赤字転落

こうした環境変化の中で、もがいているのがゴープロだ。

ゴープロは2023年12月期に営業赤字に転落。直近の四半期決算(2024年4~6月)まで6四半期連続で赤字が続いている。8月には2024年末までに全従業員の約15%に相当する約140人を削減すると発表し、大幅なリストラにも着手した。

創業者のウッドマンCEOは最新の決算説明会で業績悪化の原因について言及。在庫を圧縮するためにセールを行ったこと、価格改定による値下げ戦略が失敗したと認めたうえで、「2024年度は変革に集中する1年だ。2025年度にシェアを取り戻し、収益改善を見込む」と強調した。

ゴープロは実はこれまでも赤字を繰り返している。スマートフォンカメラの高性能化やドローン事業の失敗が重なった2016年度から5期連続の赤字を計上。当時も大規模な人員削減を実施している。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事