アクションカメラ王者「GoPro」が赤字転落の理由 最も安い半額モデルを9月発売で巻き返し狙う
アクションカメラ大手のアメリカ・ゴープロが9月4日、新たな最上位モデル「GoPro HERO13 Black」(6万8800円)を発表した。今回、特に業界関係者の注目を集めたのは同時発表したエントリーモデル「HERO」(3万4800円)だ。
HEROは最上位モデルの約半額となる破格の価格設定が売りで、現行のシリーズで最も安い。機能を厳選したことで過去最小かつ最軽量を実現しながら4K撮影も可能としており、ファミリー層や若者など幅広い新規ユーザーの獲得を狙う。ニッチなコア層で絶大なブランド力を築いてきたゴープロだが、先細り懸念に直面しており、新たな戦略を打ち出した形だ。
「GoPro1強」時代はすでに終焉
GoProはスポーツやアクションの臨場感ある動画を高画質で撮影できる小型カメラとして、世界中に根強いファンがいる。サーフィン好きだった当時22歳のニコラス・ウッドマンCEOがアメリカ・カリフォルニア州で2002年にゴープロを設立し、アクションカメラという新たなジャンルを切り開いてきた。
従来のビデオカメラになかった激しいスポーツでも手軽に使える特徴と、強烈な個性がうけ、2010年代のアクションカメラはGoProの独占状態だった。だが、ここ最近は中国メーカーが台頭。類似する商品が次々に投入されたことで、競争が激化している。
ドローンの世界的大手である中国DJIは2019年に「Osmo Action」を発売し、アクションカメラ市場に本格参入。特に2023年10月に発売した新製品「Osmo Pocket3」の勢いはすさまじい。
全国カメラ製品の販売POSデータを集計するBCN総研によると、メーカー別シェアで、DJIは新製品発売後の11月に33%を記録し、首位に急浮上。これまでおおむね10%台で、3位から4位が定位置だったが、王者GoProを追い抜いた。
また全天球カメラを展開する中国Insta360も2020年に「Insta360 One R」を投入し、360度撮影可能なアクションカメラという新たなジャンルを切り開き、人気を博している。
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