他の候補者では、元外務相で現自民党幹事長の茂木敏充氏、上川陽子外務相、河野太郎元外務・防衛相がワシントンではよく知られている。先述の元政府高官は、個人的な接触も踏まえて、オフレコでこの3人に対する率直な評価を述べた。
茂木氏のアメリカ政府との交渉経験は、主に貿易分野でのもので、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の交渉官として、またトランプ政権への対応に携わってきた。「彼は頭が良く、有能で、少し攻撃的で、典型的な日本人ではないが、アメリカ人はそれに対処できる」と元政府高官は言う。「彼は無愛想だが、国際問題ではそんなことは関係ない」。
上川氏については、「彼女は正反対だ。とても親切でバニラ風味。彼女が選ばれたとするならば、それは性別と英語が堪能だからだとアメリカ側は思うだろう」。
河野氏は自身が思っているほど好かれていない
河野氏もまた、ワシントンで長い経験を積んだ総裁候補であり、英語が堪能で、「アメリカ人と多くの時間を過ごし、アメリカのことをそれなりに知っている人物だ」と元高官は言う。
しかし、河野氏については、特に国防総省だけでなく国務省にも懸念がある。主に、彼が防衛相だった時期や、ワシントンに衝撃を与えたイージス艦陸上ミサイル防衛計画の突然の中止に起因するものだ。「河野氏はアメリカ人に好かれていると思っているようだが、そうではない」。
しかし、現状では、「経験豊富な」候補者は誰も最終候補に残れそうにない。残るのは、アメリカ人のリストの上位にいない候補者たちーー石破茂元防衛相、小林鷹之元経済安全保障相、小泉進次郎元環境相、そして高市早苗現経済安全保障相ーーである。
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