【産業天気図・自動車】円高が懸念だが、震災とタイ洪水からの挽回生産で、12年度前半まで増益基調が続く
11年10月~12年3月 | 12年4月~12年9月 |
自動車業界の11年度後半、12年度前半はともに増益基調となりそうだ。東日本大震災による影響から脱し、生産が正常化したことが寄与する。10月に発生したタイの洪水影響についても比較的早期に回復しており、しばらくは挽回生産のフェーズが続く。
不透明感を増す世界経済の中でも、自動車需要は堅調に推移している。世界最大の市場である中国の新車販売は、伸び率が大幅に鈍化しているものの、1~10月で前年同期比3・1%増。北米はリーマンショックからの回復局面が続いており、1~11月で同10・4%増だった。中国を除く新興国ではインドが低迷しているが、アセアンや南米、ロシアなどの成長が続いている。12年度も新興国を中心に世界市場の拡大が続きそうだ。
こうした需要動向を背景に、日産自動車は11年度通期の販売台数計画を460万台から475万台へ約3・3%引き上げた(前期比では13・5%増)。円高によって利益は伸び悩むものの、好調な販売基調を維持している。「会社四季報」では通期営業利益を5300億円(上期3096億円)と予想、さらにアップサイドの可能性もある。