1990年の東西統一以降、ドイツは旧東欧地域と西ヨーロッパを結ぶ物流の回廊の役割を担うようになり、アウトバーンは大型車がひっきりなしに行き交う「トレーラー街道」となった。
当然、道路の傷みも早いため、税金で運営されるアウトバーンは、維持管理費の一部を大型車に求めるようになった。これが大型車有料化の背景である。
ちなみに、オーストリアの高速道路は有料で、小型車は利用日数に合わせたシールを購入し、クルマのフロントガラスに貼る「ビネット」方式。近年は、あらかじめ車両を登録する「デジタルビネット」もある。
ドイツとオーストリアのSA/PA事情
サービスエリア/パーキングエリア(SA/PA)については日本と同様、ガソリンスタンドと飲食店、雑貨店(コンビニなど)がフルに入っている規模の大きな施設と、駐車スペースとトイレだけの施設がある。
大規模な施設では、まず必ず最初にガソリンスタンドがあり、そこを通り抜けて初めて飲食ができる別の棟が現れる。その棟も、マクドナルドだけが入っているところ、数店舗が並んで日本のフードコートのようになっているところなど、さまざまだ。
日本人の感覚でちょっと戸惑うのは、オーストリアでもドイツでもSAのトイレが有料であること。オーストリアでは0.5ユーロ(およそ80円)、ドイツでは1ユーロ(同160円)のところが多かった。
SAでは必須かつもっと大事な設備であるトイレが有料であることは、「トイレは無料」という感覚を持つ日本人からすると、「それはどうなの?」と思う部分はある。
ドイツでは、高速道路の通行そのものが無料(普通車)なので、仕方がない気もするが、通行が有料のオーストリアでは、「さらにトイレにお金を払うのか……」と思ってしまう。
とはいえ、ドイツもオーストリアも、公共のトイレや観光地のトイレも基本的にすべて有料なので、現地の人にとっては自然なことなのだろう。
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