2023年の後半あたりから、サービスエリアやパーキングエリアの駐車スペースに関する議論が目立つようになった。そんな中で注目されているのが、「駐車マス」のあり方である。
背景には、コロナ禍が明けて高速道路の通行量が回復し、もともとあまり落ち込みのなかった物流の大型車と、観光やビジネスの乗用車とがともに増加し、限られた「駐車マス」を奪い合うような状況に陥ったことに加え、「2024年問題」が直近に迫り、運転手の労働時間の規制が強まることで休憩時間の確保が重要視されたことがある。
特に平日夜間は大型車の混雑が慢性化して、流入路などへの駐車が目立ったり、そこにすら停められない大型車が増えたりするなど、社会問題となっている。以上のことを踏まえ、ここ数カ月の議論を少し整理してみたい。
次々と打ち出される駐車マス対策
暮れも押し迫った2023年12月下旬に公表されたニュースに、「高速道路各社がサービスエリアの混雑対策として、長時間駐車の有料化を将来的に検討すること、また駐車スペース拡大のために、SA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)の敷地拡大や2階建て駐車場の導入なども検討していくことを発表した」というものがある。
そして、その前提としてすでに一部のSAで、回転率を上げるために一部の大型車の駐車スペースで利用を1時間以内に制限する「短時間限定駐車マス」の実証実験を始めていることも伝えられた
NEXCO中日本:東名・足柄SA(上り線)39マス
NEXCO西日本:九州道・古賀SA(下り線)5マス
NEXCO東日本:東北道・上河内SA(上り線)5マス
NEXCO西日本:山陽道・龍野西SA(上下線)22マス
それぞれ11月下旬から12月下旬に実証実験を開始しており、半年から1年の実証期間を予定しているという。
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