その駐車マスには、黄色く囲った中に大きく「短時間」と書かれ、非常に目立つような仕様になっている。ただし、実証実験では1時間を超えても罰則はなく、あくまで注意喚起にとどまっている。
有料化するためにはシステムの導入が必須だが、現在ほとんどのクルマがETCを搭載しているので、駐車した際に自動的にETCと交信して料金を引き落とせるようになれば、大規模な設備投資をしなくても運用は可能になるだろう。
ただし、この料金の負担が個人のドライバーや中小の運送会社に課されれば、節約のために所定の場所に駐車しなかったり、休憩を諦めたりするケースも出るかもしれず、そのあたりのケアを含めた「実験」が必要であろう。
なお、この実証実験は今後、東北道の国見、安達太良、蓮田の各SA、山陽道の吉備、福山SA、中国道・美東SAでも実施が計画されている。
「後退駐車・前進発車」V字配置で駐車マス1.4倍
さらに、将来計画の一環として、スペース確保のために駐車場の立体化も盛り込まれている。これまでSA/PAでは設備投資がかさむなどの理由で、立体駐車場はほとんど設置されてこなかった。
数少ない例外は、海上の限られたスペースに駐車場を作らざるをえなかった東京湾アクアラインの海ほたるPAくらいだ。
こうした新規策だけでなく、実はこれまでも継続的に駐車マスは増やされ続けてきた。
例えば、「小型車マスと大型車マスの兼用化」がある。これは、平日と休日、昼間と夜間で乗用車と大型車の利用割合が異なるため、小型用・大型用が満車になった場合、どちらの車種でも停められるように、「兼用」をうたった駐車マスである。
そのほか、2021年度からSA/PAの遊休地や隣接地、あるいは路外の土地を活用した駐車マスの拡充などが行われてきたが、完全な解決には至っていない。
さらに、駐車スペースの確保のため、NEXCO西日本では山陽道・佐波川SA(上り)において、「後退駐車・前進発車」を基本とした、上から見て車両がV字配置となるような「V字駐車」を適用し、大型車マスを58台分から81台分へと、1.4倍に拡充する施策も行われている。
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