日本での成功を生んだ、外国名画の「絶妙な邦題」 「ランボー」の原題は直訳すると「最初の血」

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ディズニー(ピクサー含む)作品は、子どもにもわかりやすい、それぞれの世界観にふさわしい邦題になっています。

「Up」(アップ/2009)→「カールじいさんの空飛ぶ家」
「Frozen」(フローズン/2013)→「アナと雪の女王」
「Big Hero 6 」(ビッグ・ヒーロー 6/2014)→「ベイマックス」
「Coco」(ココ/2017)→「リメンバー・ミー」

ちなみに2020年に公開された「2分の1の魔法」の原題「Onward」(オンワード)は直訳すると「前へ」です。

「前進」や「成長」の意味としても使える、本作のあらすじにふさわしい、シンプルで覚えやすいタイトルかもしれません。しかし、日本国内ではアパレル会社のイメージが強いため、原題からタイトルが変更されたといわれています。

邦題への変更が功を奏した多くのヒット作

その他にも、この邦題に変更したからこそ成功した(原題のままだった場合、ヒットしなかったのでは……)と個人的に思う映画を何作品か挙げておきます。

「Bonnie and Clyde」(ボニー&クライド/1967)→「俺たちに明日はない」
「Dawn of the Dead」(ドーン・オブ・ザ・デッド/1978)→「ゾンビ」
「The Thing」(ザ・シング/1982)→「遊星からの物体X」
「An Officer and a Gentleman」(アン・オフィサー・アンド・ア・ジェントルマン/1982)→「愛と青春の旅だち」
「Sister Act」(シスター・アクト/1992)→「天使にラブ・ソングを…」
「Almost Famous」(オールモスト・フェイマス/2000)→「あの頃ペニー・レインと」
「Crust」(クラスト/2002)→「えびボクサー」
「The Italian Job」(ザ・イタリアン・ジョブ/2003)→「ミニミニ大作戦」
「The Notebook」(ザ・ノートブック/2004)→「きみに読む物語」
「Whiplash」(ウィップラッシュ/2014)→「セッション」

シルヴェスター・スタローン主演「ランボー」(1982)の原題は「First Blood」(ファースト・ブラッド)で、直訳すると「最初の血」です。

流血が多いボクシングの試合では、「draw first blood(ドロウ・ファースト・ブラッド)」(最初の血を招く=先制する)という用語があります。クライマックスでランボーが大佐に対し、「誰が警察に先に仕掛けたんだ!」と怒りをぶつけるシーンがありますが、この場面にインスパイアされて「ファースト・ブラッド」というタイトルがつけられたという説があります。

「ランボー」シリーズ2作目の邦題は「ランボー/怒りの脱出」(1985)ですが、原題は「Rambo: First Blood Part II」(ランボー・ファースト・ブラッド パート2)となっています。

ほかにも邦題で印象に残っているのが007シリーズ2作目のショーン・コネリー主演「007/危機一発」(1963)です。

同作品の原題は「From Russia with Love」(フロム・ロシア・ウィズ・ラブ)ですが、「危機一髪」の「髪」を、意図的に銃弾をイメージさせる「発」と誤字を使った邦題でヒットさせたのは、当時、日本ユナイテッド・アーチスツ映画会社(通称:ユナイト映画)の宣伝部に在籍していた故・水野晴郎氏(その後、1972年のリバイバル上映時には「007/ロシアより愛をこめて」に改題)。

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