ダイソー「姉妹チェーン」通って感じた一抹の不安 始動から3年、「無印のライバル」はまだ遠い?

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近年、無印良品は、地方への展開も積極的に行っており、その意味では出店等によるブランドイメージの操作はそこまで行われていないともいえる。しかし、それは無印良品がある程度「イメージ」を確立したからであり、それを地方に持っていっている、と見ることもできるだろう。

Standard Productsと無印を比べるのは、その歴史の違いから見て酷なことかもしれない。しかし、やはりStandard Productsには、まだまだ無印ほどの強さはないといえる。ダイソーにひきづられた出店が、今後、どのような影響を及ぼすのか。

目指すべきは「セリア」の方向性?

100均で見れば、「おしゃれ」というイメージで世界観の構築に成功しているのが、業界2位の「セリア」かもしれない。巷では「センスのセリア」という表現も見られるぐらいで、ウッディーで手作り感のある店内や、その商品のデザイン性などに、熱狂的なファンが付いている。

セリアに対して、ダイソーは圧倒的な品揃えや、業界内での歴史の古さが強みとなっているが、Standard Productsが目指すべきは、本来、セリア的な方向だったのかもしれない。

Seria セリア
100均業界の中において、センスに定評のあるセリア(筆者撮影)

そう考えると、Standard Productsが目指す「世界観の構築」は、ダイソーが弱みとしているところでもあり、ここでStandard Productsがどのように踏ん張れるかが、大創産業の、企業としての今後にもつながってくるだろう。

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谷頭 和希 都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家

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たにがしら・かずき / Kazuki Tanigashira

都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家。1997年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業、早稲田大学教育学術院国語教育専攻修士課程修了。「ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾 第三期」に参加し宇川直宏賞を受賞。著作に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』 (集英社新書)、『ブックオフから考える 「なんとなく」から生まれた文化のインフラ』(青弓社)がある。テレビ・動画出演は『ABEMA Prime』『めざまし8』など。

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