ダイソー「姉妹チェーン」通って感じた一抹の不安 始動から3年、「無印のライバル」はまだ遠い?

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これには、おそらくStandard Productsの中にダイソーとの複合店が多い関係もある。というか、ダイソーとの複合店での展開は、3号店であるマロニエゲート銀座店からはじまっており、おそらく始動時からあった構想なのだろう。

今年の10月にも新宿のビックロ内に大型複合店を展開するという。狙いとしては、ダイソーの客とStandard Productsの客とでの買い周りを促進する意味もあるだろう。

THREEPY
池袋店は、池袋東武の中に。「THREEPPY」というブランドも合わせて、3つのブランドが一緒に入っている。こうした店は珍しくない(筆者撮影)

しかし、気になるのは、先ほども書いた通り、Standard Productsは明確な「世界観」を持っていることだ。それは店内のあり方だけでなく、出店立地などにも影響されるだろう。「〜〜な場所にはStandard Productsあるよね」となる状態が、Standard Productsのブランディングにとっては望ましいのではないか。

DAISO Standard Products THREEPPY
複合店は、レジも共通の場合が多い。こうなってくると、ダイソーとほとんど同じだ(筆者撮影)

一方、ダイソーの場合はどこまでも「実利」をとっていくから、入れるところにはどんどんと入っていく。もともとが、百貨店の催事場を借りて営業していた歴史もある通り、少しのスペースでも貪欲に出店を伸ばしていく。ダイソーの出店戦略には「世界観」は関係なく、とにかく売ることができる場所、そしてある程度人が来る場所であればよいのである。

実は、ダイソーの方向性とStandard Productsの方向性は、本来、出店立地において相反するところがあると思うのだが、それが複合店によって一緒になっている。そこにStandard Productsの難しさがあると思うのだ。

「ブランド」を確立した無印良品

この点、Standard Productsと比較されやすい無印良品はどうだろうか。

その出店は1号店の青山に始まり、西武百貨店を中心に進められた。ある程度、都市部のハイソな店として数年間はそのイメージ戦略を形作っていった。

一方で無印良品も出店が加速した際、ブランド力が低下し業績不振に陥ったこともある。その際、運営会社である良品計画の新社長に就任した松井忠三は、商品開発から店舗レイアウトにわたる徹底したマニュアルを作り、「仕組み化」を進めた。松井は自著の中で「『これがいい』ではなく『これでいい』」という無印良品のコンセプトを、この「仕組み」によって担保することの重要性を述べている(『無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい』、KADOKAWA)。

その結果、「無印良品でモノを買う」という「無印」ブランドが強固に再生した(その名前に反して)。イメージ戦略に成功したのである。

無印良品
無印良品を見ると…(筆者撮影)
無印良品
店内はStandard Productsに似ているが、やはりブランド力で言うと、無印良品のほうが一枚上手だろう(筆者撮影)
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