映画業界も驚く「ホラー映画」若者にヒットの裏側 「あのコはだぁれ?」おばけ屋敷の様な上映回も

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宣伝のコンセプトは「夏休みに友人グループとお化け屋敷感覚で来場できる映画」ということで、若者層を宣伝のターゲットにすることは最初から決まっていた。

キャッチコピーも「見つかったら殺される」「この教室にはいないはずの生徒がいる」「7.19みいつけた」など、“あのコ”から逃げられるかといった、校内で鬼ごっこをするようなゲーム感覚で楽しんでもらうべく、ひねらずに、内容がストレートに伝わるようなコピーが選ばれた。

さらにプロモーション期間中のテレビ出演時や、メディア向けのインタビューなどでは、主演の渋谷には「わたしが出ているので観てください」ではなく、「スクリーンの中のわたしも怖がっているので、皆さんも一緒に怖がってください」といった具合に話すようにリクエストするなど、“観客との共感性”を前面に打ち出した。

キャラクターよりも作品の内容を前面に押し出す宣伝方針ではあったが、渋谷が所属する事務所サイドもそのコンセプトを理解し、かつ協力的だったという。

絶叫上映は、まるでおばけ屋敷のよう

さらに劇中に登場する“あのコ”がスクリーンを飛び出し、実際に劇場内をうろつきまわる“絶叫上映”も札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の劇場で実施された(“絶叫上映”は複数回にわたって実施され、初回は宮城と広島の劇場でも行われた)。

スクリーンに“あのコ”が登場するタイミングで、劇場内にもリアル“あのコ”が登場し、場内をうろつきまわったり、観客の顔をのぞき込んだり、オリジナルステッカーやミニICレコーダーをプレゼントしたりするという取り組みだ。

あのコはだぁれ? 渋谷凪咲
公開初日から実施された「絶叫上映」の様子。劇場内に絶叫が響き渡る大盛況で、追加実施を期待する声も多数寄せられたということもあり、8月9日から追加の「絶叫上映」を実施。さらなる好評により、8月30日〜9月1日にかけて3回目の「絶叫上映」も実施された。©2024「あのコはだぁれ?」製作委員会

絶叫&声出しオーケーの特別上映ということで、“あのコ”が客席の間を通り過ぎるたびに「キャー!」といった悲鳴や、「無理無理無理!」といった怖がる声などが響き渡るなど、劇場内はまるでおばけ屋敷のような様相を呈していた。

あのコはだぁれ? 渋谷凪咲
スクリーンだけでなく、実際の“あのコ”が不規則で劇場内に登場。観客は“あのコ”がいつやってくるのか分からないため、いろいろな意味でドキドキし続ける事になる。まさに映画館ならではの体験だといえる。(写真:筆者撮影)
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