映画業界も驚く「ホラー映画」若者にヒットの裏側 「あのコはだぁれ?」おばけ屋敷の様な上映回も

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もともとは昨年の『ミンナのウタ』公開時に実施されたイベントだったが、会場のボルテージも最高潮で、大盛況だったこともあり、『あのコはだぁれ?』では初日から通常上映のほかに、“絶叫上映”の回も並行して実施。

夏休みの学生に来てもらいたいということで、“絶叫上映”は通常料金で入場可能だ。“絶叫上映”を楽しみに来たという観客はもちろんのこと、中には“絶叫上映”であることを知らずに通常の上映だと思って来場した観客もいたというが、客席のあちこちで繰り広げられる「キャー!」という叫び声を、映画の絶妙なスパイスとして楽しんだという声も寄せられたという。

あのコはだぁれ? 渋谷凪咲
絶叫上映も行われた渋谷HUMAXシネマのロビーの様子。通常の上映と違い、絶叫上映の実施となると物理的に手間と労力がかかるものだが、全国の実施劇場をはじめとした関係者が運営に協力的だったという。(写真:筆者撮影)

宣伝プロデューサーの山崎氏も「学生さんたちにいかにして映画館に来てもらうかを考えたときに、やはり映画館でしか体験できない特殊なことを仕掛けたいと思いました。劇場さんと各所関係者にはお手間と労力をおかけしてしまいましたが、協力していただいて本当にありがたかったです」とその思いを語る。

TikTokを使ったプロモーションも

さらに若者向けにTikTokにも力を入れたという。初日に行われた“絶叫上映”の際に、“あのコ”が劇場に向かって歩いていく後ろ姿を撮影し、投稿したところ、400万回再生と大反響。本作の認知度を上げることに成功した。

あのコはだぁれ? 渋谷凪咲
若者層に注目を集めた『あのコはだぁれ?』公式TikTok。絶叫上映動画の再生回数は400万回以上を記録。その他、100万回を超える再生回数の動画も数多く投稿されており、若者層へと訴求した。

本作の公式TikTokでは映像クリエイター、コワゾーの協力のもとホラーショートドラマも次々と投稿され、大きな反響を集めた。TikTokで投稿された動画のそれぞれのコメント欄では、映画の感想や、質問などが活発に投稿されており、ここから口コミも広がっている。

本作の上映終了時期は未定。今後も反響次第で追加の“絶叫上映”も行われる可能性はあるとのこと。若者を映画館に呼び起こすためのユニークな施策にも注目だ。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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