「太ってないのに糖尿病」の人に足りない栄養素 「健康診断の数値」が正常でも安心できない

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③空腹時血糖値も食後血糖値も高いパターン

糖尿病患者はほぼこのパターンに該当します。まだの人は真っ先に専門的な医療機関を受診してください。今のままの生活スタイルでは、体にダメージを与え続け、確実に寿命を縮めることになってしまいます。

いくら「カロリー制限」をしても意味がない

病院で糖尿病と診断され、通院して治療をするも、なかなか良くならない。こういう人は大勢います。考えられる理由はおもに3つです。

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まず、患者さんの体質的、あるいは症状の進行状況的に、現代の医学・医療技術では対処できない場合。続いて、患者さんが医師の指導(服薬の量や頻度を含む)をしっかり守っていない場合。そして、医療機関が適切な治療・指導を行っていない場合。

だいたいどれかに当てはまるのですが、ここでは3番目について、少し掘り下げて考えていきたいと思います。

糖尿病を治すためには、根本の原因にアプローチする必要があります。2型糖尿病の場合は、糖質の過剰摂取がもたらす高血糖です。これは食事や生活習慣などを見直すことによって改善されていきます。

しかし、現在の糖尿病治療は、ブドウ糖と結合して糖化するヘモグロビンの割合を示す「ヘモグロビンA1c」の数値を下げることに重きを置く風潮にあります。メインになるのは、薬に頼った治療です。

薬を飲めば、ヘモグロビンA1cも血糖値も下がるのですが、元の原因を解決できておらず、長期的に見て糖尿病の症状が劇的に良くなることはありません。投薬よりも食事指導に力を入れている医療機関においても、栄養素のバランスを考慮しつつ、カロリー制限を課すケースが多く見受けられます。ですが、じつはカロリーは血糖値に影響しないことがわかっていますので、糖質を気にしない限り、糖尿病は良くなりません。

だから、「医学のプロだから安心」と、決して思わないようにしてください。薬中心の治療、カロリー制限の食事を勧めてくる病院は、疑ってかかりましょう。

矢野 宏行 医学博士、糖尿病専門医

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やの ひろゆき / Hiroyuki Yano

やのメディカルクリニック勝どき院長。医学博士。糖尿病の専門医。1981年生まれ。2006年に日本医科大学卒業後、同大学附属病院に勤務。その後、国立国際医療研究センター研究所の糖尿病研究センターで糖尿病について研究をするなど、研究・臨床に精通。加えて24時間の血糖値の動きを調べつくしていることで、「どうやったら血糖値が下がるのか」「最も効果的に血糖値を下げる方法は何か」を熟知。「ミスター血糖値」の異名を持つ。
2023年、やのメディカルクリニック勝どきを開院。日本内科学会 内科認定医、日本糖尿病学会 糖尿病専門医、日本老年医学会 老年科専門医。
「Dr.ゆきなり【〜糖尿病克服への道〜】」チャンネル登録者数12万人など、メディアでも活躍中。

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