「太ってないのに糖尿病」の人に足りない栄養素 「健康診断の数値」が正常でも安心できない

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もちろん、健康診断で異常値を示している人よりははるかにリスクは低いですし、何も問題がないという可能性もじゅうぶんにあります。しかし、健康診断の数値だけでは安心できません。理由は、健康診断前の食事は控えることが推奨されているから。つまり、血糖値は原則的に空腹時のみにしか測っていないからです。

食後に血糖値が急上昇することは、よく知られている話です。私はこれまで、空腹時血糖値は正常かつヘモグロビンA1cが5%台で糖尿病ではないにもかかわらず、食後血糖値が正常値の140以下を超え、200近くにまで爆上がりするタイプの患者さんを何人も見てきました。

これはいわば「糖尿病予備軍」あるいは「隠れ糖尿病」です。当然、血糖値スパイクは起こっているでしょう。だから私は、体温や体重を測るのと同じ感覚で、どなたにも食後血糖値を測ることを勧めています。

医療機関を受診せず、自分で血糖値を測定する方法は多種多様に存在します。必要なときに小さな穿刺具で採血して測るお手軽な測定器もありますが、私がベストと考えているのは、スマートフォンのアプリに連動させて24時間、断続的に血糖値やヘモグロビンA1cを測定することにできる「フリースタイルリブレ」という器具です。このフリースタイルリブレについて詳しく説明します。

血糖値を24時間、断続的に自分で測定できる

血糖値は1日中めまぐるしく上下動しており、個人差があります。もちろん、糖尿病患者と健康的な人とでは、その波形は大きく変わってきます。

空腹時血糖値と食後血糖値の差(上昇度)をチェックするのは大事。ではあるものの、あくまでそれは点と点の比較をしたにすぎません。みなさんの体の状態を正確に見極めるためには、血糖値の動きを線で把握することが求められます。

そんなとき、強い味方になってくれるのが「フリースタイルリブレ」です。これを体に装着しておくと、皮膚に刺した針状のセンサーが分単位でグルコース値(≒血糖値)を測定し、推移をグラフで表示してくれます。スマートフォンのアプリにデータを転送することもでき、たいへん便利です。

センサーから皮下組織にカニューレという細い管を留置するかたちでグルコース値を測定しており、データとしての正確性が高いことは証明されています。血糖値スパイクが起こっているかどうかも、このデータを見れば一目瞭然です。

センサーを装着する際の痛みはほとんどなく、誰でもお手軽に使用することができます。ちょっとだけチクッとする程度です。

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