外国語・国際系の就職率はどちらも78%程度で、大学全体の平均就職率81・6%を下回る。海外留学をする学生が多く、4年間で卒業できないケースが少なくないためだ。
そんな中、唯一90%を超えた神戸大学・国際文化。就職環境が悪かった10~11年でも90%前後の就職率を維持していた。
文・人文系の就職率は、文系学部の中で最も低い。これは学びたい学問が最優先で就職を気にしない学生気質も影響している。大学院進学率も4・5%と高い。一般的に学問を追究する学生は難関大に多いため、ランキングには難関大学が少ない。他の文系学部とは対照的な傾向だ。
上位に女子大が多いのも特徴。1位の名古屋女子大学をはじめ10校が入る。女子大特有の丁寧な就職支援によるところが大きそうだ。
理系は難関大に大学院志向あり
理工系の就職率では、上位25校が90%を超えた。地方の大学も目立つ。手厚い就職支援の効果もあるが、就職力のベースには、優秀な人材輩出力がある。たとえば金沢工業大学は、米MITなどが始めた工学教育改革を推進する国際的組織(CDIO)に加盟、知識偏重から脱却して技術者教育を重視する、世界レベルの工学教育を推進している。
理工系上位には、旧帝大などの難関国立大や早慶がいない。卒業生の7~8割が大学院に進学し学部卒の就職者が少ないためだ。たとえば東京工業大学・工は、卒業者786人中、就職者は62人しかいない。
文理融合系の上位はノートルダム清心女子大学・人間生活と北海道文教大学・人間科。いずれも栄養学や児童教育、リハビリテーションなど就職に直結する資格系学科がある。
薬学系は学部全体の就職率が下がり続けている。06年に薬剤師国家試験受験資格を得るための修学期間が6年になり、10~11年に空白があったため6年制の最初の卒業生が出た12年の就職率は93・5%と高かった。以降は低下を続け、14年が82・6%だった。多数の薬学部新設もあり、供給過多になっているようだ。表中の大学すべてで9割を超えたが、一方で就職率が50%を切る大学もあり、就職状況は二極化している。
社会福祉系の就職率は87・6%で文系学部の中で最も高い。ただ、この系統は仕事の厳しさが給与面で報われないため受験生の人気がなく、高い就職率の割に難易度が低い大学が多い。資格系は歴史が浅い大学でも就職率が高い大学が多いのだ。
看護系の就職率が最高だったが、兵庫医療大学、山梨県立大学、甲南女子大学など歴史が浅くても就職率が高い大学が多いのは社会福祉系と同様だ。リハビリなど医療技術系の就職率も90・2%と高い。
同じ大学でも学部により就職率は異なる。大学の就職力を見る際は、学部別の就職率にも注目したい。
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