タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密 --ヨーロッパから来た楽しいコミック《宿輪純一のシネマ経済学》
ヨーロッパからやってくるのは経済危機だけではない。ヨーロッパで長年愛されている素敵なコミックのアニメーション映画もやってきた。前髪が立ったショートカットでカッコいい少年記者タンタン(TINTIN)と相棒の“白い”フォックステリア犬スノーウィ(SNOWY)の物語である。
『タンタンの冒険』は、もともとはベルギーのコミック。日本ではアメリカのディズニーのキャラクターほど有名ではないが、世界的にはかなりの人気シリーズで、世代や国境を越え50カ国以上で翻訳されている。日本ではなんと千葉銀行さんのキャラクターとなっている。
1929年にベルギーの漫画家エルジェが子供向けの新聞や雑誌に連載。その後23本(未完も入れると24本)の単行本にまとめられている。
タンタン自体もかなりの人気コミックであるが、今回の映画的な話題は、スティーヴン・スピルバーグが製作・監督をしていること、また彼にとって初めてのアニメーションであることである。しかも3D。さらには、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの監督のピーター・ジャクソンまでも製作陣に加わっている。それだけで、かなり期待できる。
実は筆者は出張でベルギーには30回程度行っているが、タンタンについてはショップもあり、地元ならではのすごい人気である。ベルギーの友人に聞いてみるとTINTINはフランス語では乾杯のあいさつでもあるが、そもそもは「空っぽ」といった意味で、読む人が決めればよい、みたいな感じもあるらしい。
どうでもいいことでもあるが、筆者が気になるのはその発音である。フランス語だと発音は「タンタン」であるが、英語だと「ティンティン」となる。この映画のなかでは「ティンティン」と発音している。原題も『The Adventures of Tintin:The Secret of the Unicorn』と英語表記となっている。