考えるでは弱い。念じるように考えると、方法や解決策が見つかるんです--葉田順治・エレコム社長(第3回)

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 戦略を作るためには新しい経営学が必要だと思っています。僕は「DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー」オタク(笑)。もちろん取捨選択はしますが、やはりアメリカの経営学は参考になる。たとえばP&Gの「オープン・イノベーション」戦略なんかはパソコンにも応用できますから。
 
 自分が戦略系に変わった3年前から、会社の中のキーマン8人にもこの雑誌を送りつけています。彼らもロジカルに変わりましたし、「このページに載ってるこれをやろうか」と言えばスッと動いてくれます。

--実際、数字にも表れていますので説得力がありますね。

実は、数字はあまり気にしていません。もちろん赤字だったらきちんと見て対応しますが、基本的に次の問題が気になるので後ろは見ていないんです。今好調なのもたまたま円高なだけ。
 
 社員にも「スマホバブルになっただけでお前らの実力じゃない。円高でコストが2割も下がっているんだからアホでも利益が出るわい!」と、言っています(笑)。

実は今、困ったことがありまして。震災を機に、社員の安全のため(東京)オフィスを神保町から市ヶ谷へ移転させたんですね。ここは免震構造が必要ないくらい地盤が硬いところらしいです。やはり武家屋敷があった場所は安全なんですね。
 
 ところが、よくないことに事務所がきれいで快適なものだから、社員の滞在時間が長くなってしまった(笑)。「帰ってきてホッとするのはいいけれど、成果はお客さんと接する以外にない!」と叱咤しています。
 
 やはり、儲かっていてオフィスがきれいだと社員は勘違いします。今、「12月から地獄だぞ」「常夏の島から北極になるぞ」と、いろんな言葉で社員には強く言っていますよ。決してあおっているわけではない。つねに視座を変え続けていかなければ、今後大きくなれません。

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