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「虎に翼」LGBTQ描写に反発する人に言いたいこと 性的マイノリティを描くことは今や世界的潮流

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  • 霜田 明寛 ライター/「チェリー」編集長
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もちろん、ドラマに限らず、社会の中でマイノリティとして生きている人びとにスポットライトを当てるのは公共放送の担うべき役割であり意義だ。だが、ドラマという物語の中で浮いていたり、“押し付け”が強すぎたりしても視聴者は反発する。

筆者としては、轟とパートナーのエピソードは、籍を入れられる状況にあるのにそれに抵抗がある寅子たちと、籍を入れたくても入れることのできない轟たちという対比が生まれるという点で、物語を深めるために必要なものだったと思う。

同性カップルを演じた轟太一役の戸塚純貴(写真左)と遠藤時雄役の和田正人(画像:戸塚純貴 公式Instagramより)

『虎に翼』でバランスが傾いたシーン

だが、103回で、当事者たちが集まり寅子たちと会話するシーンには付け加えの印象があったし、バランスが傾いた感覚があった。特に、寅子の娘・優未に「私、知らなかった。手術すれば女の人から男になれるんだね」と言わせるなど、進行役のようなポジションを担わせているのが気になった。

大人にはできない純粋なリアクションや質問を子どもにさせることで情報を提供しようとするのは、まるでNHKの『突撃!カネオくん』や『チコちゃんに叱られる!』のような教養バラエティ番組や、Eテレの番組を思わせるような作りだった。

それに対する「優未ちゃんは女の人になるために何か頑張ったことってある?」という当事者からの台詞も、子どもにぶつけるには強すぎるし、“普通に生きられている人”への攻撃性を持ちすぎていて、視聴者の反発を喚起してしまうようにも感じた。

マジョリティの人びとの意識を変革することは必要だし、このドラマの役割でもあると思うが、それが攻撃になってしまっては逆効果なのではないだろうか。

物語が面白いうえで、観る側の価値観が少しずつ変わっていくような作品は必要だと感じている。だが、メッセージが強すぎて、物語の進行や面白さを崩すようなことがあれば、届くべきメッセージも届かなくなってしまうだろう。

もちろん、それは難しいことではあるものの、その絶妙なバランスの上に成立する作品は紛れもない傑作だし『虎に翼』はそうあり続ける強度と優しさを持った作品だと信じている。

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