「完璧な年下妻」と結ばれた彼が別れを選んだ理由 2つの離婚例で見る「夫婦にとって大切なもの」

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「彼女が残業をして帰ってきたときには、顔がげっそりしていて、疲れているのがわかった。だけど、そんなときも家事を完璧にやろうとする。食材を冷蔵庫から取り出して夕食の支度に取り掛かるのだけれど、明らかに不機嫌。ご飯を食べるときもツンツンしていて、会話の受け答えにもトゲがあった」

そんな不機嫌な夕食を囲んだある日、先に食べ終えたしずおが、自分の食器を食洗機に入れながら言った。

「忙しいときは、買ってきた惣菜でも僕はいいよ。LINEで連絡をくれたら、僕がコンビニで弁当を買って帰るし、なんなら1食くらいカップラーメンでもいいじゃないか」

この言葉を聞き終えたまりこは、鬼の形相になり、ヒステリックに叫んだ。

「私は一生懸命にやっているのに、その言い草は何?」

そして、まだ食べていた食事を中断し、おいおい泣き出して、部屋に引きこもってしまった。

しずおは、筆者に言った。

「会社の仕事が忙しいときほど、家でヒステリックになるし、突然キレる。その傾向があるとわかってからは、会社から帰ってきてツンツンしながら家事をしたり、料理をしたりする彼女とは、なるべく言葉を交わさないようにしました」

結婚当初は、家事も分担していたのだが……。

「どうも僕のやり方は気に食わないみたいで。掃除や洗濯の仕方、洗濯物の畳み方にいちいち注意が入る。彼女のやり方があって、それを完璧にやらないと気がすまない人だとわかった。

やって怒られたり、彼女がやり直していたりするのを見るのもばかばかしくなって、僕はだんだんと家事をやらなくなりました」

夫婦関係は、どんどんぎくしゃくしていった。結婚生活はトータルで4年だったのだけれど、最後の1年は、離婚についての話し合いの時間になっていたという。

そして、協議書を交わして、離婚となった。

家族がいるのに1人の食卓

のぶお(48歳、仮名)の最初の結婚生活は15年で終幕した。入会面談に来たときに、彼はその結婚生活をこう振り返った。

「結婚当初、職場から1時間半かかる郊外に家を買ったんです。だから通勤に時間がかかって、家に帰るとだいたい21時を回っていた。

子どもがいなかったときは、そこから2人で夕食を食べていたのだけれど、子どもができてからは、仕事から帰ると僕は冷蔵庫に入っているものをレンチンして、1人で夕食をとるという、さみしい食卓になりました」

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