ですから、生命誕生から35億年近くの時間、生きものたちが海で暮らしていたのは当然です。
しかし、どうも生きものには冒険心があるらしく(浅瀬が混雑し始めて追いやられたという考えもあります)、上陸大作戦が始まります。まず植物、次いで昆虫たち、さらに動物が上陸し、それとともに土がつくられていくのです。
植物の枝や葉が落ち、それをミミズやシロアリなどの動物がさまざまな微生物とともに分解して、土ができていくという作業は今も続いており、その土が植物の生育を支え、多様で複雑な陸上生態系ができ上がっているのです。
土は生きものなしには存在しない
大さじ1杯の土には1万種類、100億個の微生物がいるといわれます。土は生きものなしには存在しませんし、生きものは土に支えられて存在しているという関係に注目すると、土の力の活用こそ陸地での生活の基本と考えられます。
土の役割を改めて確認します。
2 土の粒子の間隙には水と空気が貯えられ、それが植物の根から吸収されます。土中の水は地球上の水循環の重要な経路です。近年、「森は海の恋人」という言葉に代表されるように、この水循環への関心は高まっています。
3 土中にいる無数の微生物や小動物が、生物の遺骸や排泄物、さらには生ゴミも分解して植物の栄養として使われるのですが、生きもののはたらきを土の中の空気が助けます。
植物たちを支え、水や養分を送り込むという誰もが知っている土の役割ですが、ここに書いたことから土の様子をまとめると、下の図のようになります(※外部配信先では図を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。
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